悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「へへっ。皆さん定住してくれるといいですね、お嬢様。移住してくる皆様に、俺の故郷を好きになってもらいたいです」

「農民鍋ってどんな料理? 私も手伝うから教えて」

「もちろんです! いやあ俺が教える立場になれるなんて嬉しいです! 料理人冥利に尽きます」

「クックの故郷ならぼくが花持たせないとな。クック。今日はお前が料理長でぼくが補助だ」

 デールも袖をまくってクックの手伝いをする気満々だ。
 クックが玉ねぎを手に宣言する。

「それでは、農民鍋作り開始します!」

 クックがメイン、私とデールが補助。いつもと違うけどこういうのもいいね。
 デールがトマトの皮をむいて細かく切り分け、ボウルにあげておく。

私は玉ねぎ、ニンニクっぽいやつ、芋、赤ピーマンをざっくり切り分けていく。

 今日お祭で出す料理に使うのは、全部村でとれる野菜たち。うちの領地は自然の恵みが豊かでうれしいね。

切った玉ねぎとニンニクをフライパンで炒めて、ベーコンを細長く切って香りづけする。

ハーブを少々ちらして、芋を追加。きつね色になるまでじっくり焼いていく。

「はー。この時点でもう食べたい」

「だめですよお嬢様。まだトマトを入れていません」

「言ってみただけよ。歓迎の料理をつまみ食いなんてできないわ」

 炒めた野菜とベーコンを鍋に移して、トマトを投入。じっくり煮詰めて鳥骨でとったスープを注ぎ、塩とスパイスで調味して、完成。