悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 ニッコリ笑顔でごめんなさい。
 飲み仲間ならいいけど、結婚はノーセンキュー。
 カインを好きか嫌いか以前の問題。
 国を背負うなんて私には無理。

 王妃様にすごく残念そうな顔をされた。

「……主従関係にある使用人ならいざ知らず、他家の子女が率先して人の仕事を手伝うところを初めて見ました。雇ったのではなく、ミーティア家の姉弟もユージーン家のお嬢さんも、自分の意志でクリティアの手伝いにいらしたのでしょう。人を惹きつける……めったにいない逸材だと思うのだけれど」

 カリスマみたいに言われても、みんな友だちで、優しいから手伝ってくれているだけ。

「それは私の力ではなく、皆さんが優しいからです。国を導いていくパートナーは、カイン殿下自身が選ぶべきだと存じます。何事もなければ長い人生ともに歩むのですから、人に押し付けられたパートナーでは長続きしないでしょう」

「王太子との縁談を辞退する人なんて初めてよ。あの舞踏会でカインにダンスを申し込んでいた令嬢たちなら、喜んで結婚しますと即答していたでしょうに……」

 婚活のためにパーティーにいた人たちは、そうでしょうね。
 私は結婚したくてあそこにいたわけじゃないからゴメンナサイ。