悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 美味しいねって笑いあう、身分関係ないたわいないやりとり。
 
 私もミラ製おにぎりを手に取る。
 固すぎなくて、程よくほぐれる、ウメー。

 タコ唐揚げもひとつパクリ。
 ここには母上がいないから、ビールも飲んじゃう!
 プハーーーっ!

 唐揚げを噛みしめていると、妃殿下に話しかけられた。

「ありがとう、クリティアさん。どの料理もとても美味しいわ。頭ごなしにカインの行動を否定したことを、反省しなくてはいけませんね。こうしてみんなで食べるのは、とても楽しいのね」

「恐れ多いです。楽しんでいただけたなら、みんなで作った甲斐があります」

 カインの気持ちが届いて何より。

「クリティアさん。カインと結婚する気はありません? あなたならこの子の手綱を握ってうまくやっていけそうな気がしますわ」

「ぶふぉ、ゲホ、ゲホ。な、な、何を言い出すんだ、母上」

 隣でコロッケを頬張っていたカインが、おもいきりむせた。

 そっとウローンティーを渡すと、一気に飲んで息を落ち着けた。

 結婚なんてワード久しぶりにし聞いたわ。私は、結婚するなんて今のところ考えていない。

「申し訳ありません妃殿下。子爵家の娘にすぎない私に、そのような大役はつとまりません。辞退します」