十人一色 ─トランスジェンダーをかかえたふたり─

 こんな人に会ったのは初めてだ。

 仲間意識が芽生える。

 この人の前でなら、そのままの和香でいていいような気がする。

「……俺は、水沢和香。名字で呼んでほしい」

「おう。よろしくな、水沢」

「ああ。よろしく、リク」

 敬礼するように片手を上げるリクに、和香も片手を上げて答えた。

 リクも直感で、和香に自分と似たものを感じたんだろう。

 和香が男言葉で話しても変な顔をしたりしなかった。