十人一色 ─トランスジェンダーをかかえたふたり─

「そっか、頑張れよ。オレも夏に行ってきたんだ、東京の説明会」

「どうだった?」

「絶対ここに入学しなきゃって思ったな。説明役で立ってた二年生がダイビング資格取っててさ」

 他の友だちも教室に入ってきた。

 そのまま話に加わって、就職活動するとか家を継ぐとか進路のことを聞く。

 中学生のときには何人もいた、「〇〇ちゃんが行くなら同じ学校がいいな」「制服が可愛いから☓☓高にする」なんて言う人は一人もいない。

 自分の将来を左右する大事な選択だ。

 就職、進学、家を継ぐ、それぞれの道がある。

 楽しみなような不安なような、不思議な気持ちでみんなの進路を聞いた。