十人一色 ─トランスジェンダーをかかえたふたり─

 マンガだと中学生にだってカレカノがいるんだから、高校生のリクにいても不思議ではない。

 けど和香は、リクに恋人がいるなら彼女(・・)だと勝手に思っていた。

 男には興味ないんじゃないか、という気がしていた。

「彼氏がいるんだ。予想外」

「おー」

 リクはメールチェックしながら生返事を返してくる。

 リクはどことなく雰囲気が和香に似ているけど、似ているだけで違う存在だ。

 心が男で好きになる相手が男でも、そうなんだなくらいにしか思わなかった。

 だから、深く考えずに聞いた。

「漫画でよくある、『今はまだ学生だけど本気だから結婚前提に〜』みたいな感じか?」

 リクはポチポチしてた指を止めて、ちらりと和香を見て、言い淀んだ。

 あ、これたぶん聞いちゃ駄目なやつだった。

 リクの反応でその空気を察知したけどもう遅い。

「ははっ。わかんね。オレらまだ16歳だからな」

「そっか。そうだよな。ごめん」

 明らかに無理した笑いとわかる顔を作って、リクはスマホをしまった。

 それから。

 予想はしていたが、希沙のチームは初戦敗退した。

 対戦相手がバスケ部の部長たちのメンバーで、30対0という惨敗っぷり。

 希沙たちは一度もボールに触らせてもらえず、バスケ部の男子たちは何もできずにいる希沙たちを指さしてあざ笑っていた。

 男ってやだねぇとグチ大会になったのは言うまでもない。