十人一色 ─トランスジェンダーをかかえたふたり─

「あとひとりなのー!」

「リクなら適任じゃね? スラダン好きだし」

「オレにふるな。漫画は好きだしルカワはかっけーけどさ、これたいてい参加するのバスケ部の連中じゃん。普段運動しない人間は初戦敗退するって」

 リクはリクで飛び火した火の粉をはたき落とした。

「でもでもバスケがいいよ! チームワークとか一体感良いじゃん!」

 なぜ希沙はここまでバスケにこだわるのか。

 答えは簡単。

 お祭があると浮かれずにはいられない子なのだ。

「しかたねーな」

 リクが折れて、チームメンバーの欄にサインしてあげた。

 断固拒否した和香と大違いである。

「さっそく今日の放課後から練習しよー!」

「あ、むり。今日彼氏とデートだから」

「えええぇ! そんなぁ!」

 和香はリクに彼氏がいたということに驚いたが、希沙は練習に付き合ってくれないことに衝撃を受けていた。