目をつむれば、いつだって君がいる。
歩けば、海の香りがするあのこが。
。◯●◯。
「お前も来いよぉ」
「え?」
彼女のことを思い出していた。
思い出にふけていたら、聞くのを忘れていた。
「合コンだよ。ご・う・こ・ん」
「あ、ああ……行くよ」
俺はもう社会人だ。
婚期の真っ盛りの俺だというのに、過去の恋の未練未練。
「でも正直、あのこ以外興味が出なくて……」
「今回はどの子も可愛いぞ?きっとお前も好きになるって」
「は、はあ。」
食堂のウォーターサーバーの水を、カフェのコーヒーみたいにちまちま飲む。
ちょっとチャラい友達の話を聞きながら。
「可愛いのに仕事が出来る!山岡さん!ちょっとドジな所も魅力的!静岡さん!それから……」
「いや、本当にいいって」
そうしてる内に、ヴーと、友達の食券がなる。
「ちょっと行ってきますわ」
「いってらー」
俺には恋が出来ないや。
あの時の、幻想が見えてしまいそうな歌声と、ため息が出るほどの美しい少女に、心を奪われてから。
俺には、他の女性に恋が出来なくなってしまっていた。
たとえ、あのこの視線の先が、俺じゃなくても。
。◯●◯。
にんぎょひめ は おうじさま に
こい を しました
でも その おもい は とどかず に
にんぎょひめ は あわ と なって しまいました
にんぎょひめ に こい を した
しょうねん は……
どんな きもち だった でしょうか
。◯●◯。
合コンに、いても、あのこを無意識に探してしまう俺は。
バカ、みたいだ。
レストランを抜け出して、なんとなく歩いた。
道路の川を抜けて、ビルの星を見て、なんとなく海に来た。
なんとなく、だけど。
「こんにちは、海、綺麗だよね」
少女に会った。
ドクン
恋をした。
始めましての、もう会わないだろう少女に。
一目惚れしてしまった。
「?どうしたの?」
あまりにも、あのこに似ていたから。
新しいものに目をキラキラさせた目元が。
優しい美しい歌を口ずさむ口元が。
海が好きなくせに綺麗な髪の毛が。
似ていたのだ。
「あっ、わかったぞ。私に恋とかしちゃったんだよね!?」
「うぐ」
「図星じゃんか。どうだい?このキューティクルな私に一目惚れしちゃったかい?」
ちょっとうざい。
「いや、別に……そういう訳じゃ」
顔を反らし。
今の顔を見せたくない。
きっと茹でたこみたいに真っ赤だろうから。
(え、ガチの反応じゃん)
「え、えーと、海、好きなんですか?」
「……うん」
自分から話しかけてみた。
すると、静かに答えてくれた。
「ここはね、私が、死んだ場所なの」
「え」
「あっ、恋が死んだって意味ね」
おちゃらけて言うが、笑って言うことではないだろう。
「俺も、ここで。ここで、恋が死んだんです」
告白。甘酸っぱくない方の。
名前も知らない彼女は、気まずそうにしてから、言った。
「おー…………同士☆」
なにこのテンション。ふざけているのか。
「好きな人が、ここで死んだんです」
「あっ……(察し)」
波が、押し寄せては引き返す。
月を隠していた雲が晴れる。
「もしかすると……」
彼女が口を開けた。
真剣な感じで。
「精霊……とか、幽霊になって、見守ってくれてるかもよ?」
「だと、いいですけど」
……。
気まずい。
「実はね、私」
波が、彼女の足元へくると、ゆっくりと、足が変わっていく。
それは、まるで。
「人魚姫なんだ」
「えっ」
微笑む君は、月をバックにしているからか、神秘的に見えた。
「ごめんね。あの時……気づいてあげられなくて。」
「ね、私のことなんか忘れてさ。新しい恋、してくれない?」
「そうじゃないと、私……ちょっと辛いから」
ふつふつと、怒りが湧いてくる。
自分勝手だ。そんなの。
「無理だって!!」
気づいたら口にしていた。
「俺っ!こんなにも、こんなに、好きで好きで。」
「長年片思いしてるのに!?いきなり諦めろ!?」
涙が頬を伝う。
「そんなの!?無理だって!!」
ごめん。好きになって。
「ごめんね」
「なんで、君が謝るの?」
そういった時には、もう、誰も、いなかった。
「バイバイ」
風がそう、聞こえた気がする。
歩けば、海の香りがするあのこが。
。◯●◯。
「お前も来いよぉ」
「え?」
彼女のことを思い出していた。
思い出にふけていたら、聞くのを忘れていた。
「合コンだよ。ご・う・こ・ん」
「あ、ああ……行くよ」
俺はもう社会人だ。
婚期の真っ盛りの俺だというのに、過去の恋の未練未練。
「でも正直、あのこ以外興味が出なくて……」
「今回はどの子も可愛いぞ?きっとお前も好きになるって」
「は、はあ。」
食堂のウォーターサーバーの水を、カフェのコーヒーみたいにちまちま飲む。
ちょっとチャラい友達の話を聞きながら。
「可愛いのに仕事が出来る!山岡さん!ちょっとドジな所も魅力的!静岡さん!それから……」
「いや、本当にいいって」
そうしてる内に、ヴーと、友達の食券がなる。
「ちょっと行ってきますわ」
「いってらー」
俺には恋が出来ないや。
あの時の、幻想が見えてしまいそうな歌声と、ため息が出るほどの美しい少女に、心を奪われてから。
俺には、他の女性に恋が出来なくなってしまっていた。
たとえ、あのこの視線の先が、俺じゃなくても。
。◯●◯。
にんぎょひめ は おうじさま に
こい を しました
でも その おもい は とどかず に
にんぎょひめ は あわ と なって しまいました
にんぎょひめ に こい を した
しょうねん は……
どんな きもち だった でしょうか
。◯●◯。
合コンに、いても、あのこを無意識に探してしまう俺は。
バカ、みたいだ。
レストランを抜け出して、なんとなく歩いた。
道路の川を抜けて、ビルの星を見て、なんとなく海に来た。
なんとなく、だけど。
「こんにちは、海、綺麗だよね」
少女に会った。
ドクン
恋をした。
始めましての、もう会わないだろう少女に。
一目惚れしてしまった。
「?どうしたの?」
あまりにも、あのこに似ていたから。
新しいものに目をキラキラさせた目元が。
優しい美しい歌を口ずさむ口元が。
海が好きなくせに綺麗な髪の毛が。
似ていたのだ。
「あっ、わかったぞ。私に恋とかしちゃったんだよね!?」
「うぐ」
「図星じゃんか。どうだい?このキューティクルな私に一目惚れしちゃったかい?」
ちょっとうざい。
「いや、別に……そういう訳じゃ」
顔を反らし。
今の顔を見せたくない。
きっと茹でたこみたいに真っ赤だろうから。
(え、ガチの反応じゃん)
「え、えーと、海、好きなんですか?」
「……うん」
自分から話しかけてみた。
すると、静かに答えてくれた。
「ここはね、私が、死んだ場所なの」
「え」
「あっ、恋が死んだって意味ね」
おちゃらけて言うが、笑って言うことではないだろう。
「俺も、ここで。ここで、恋が死んだんです」
告白。甘酸っぱくない方の。
名前も知らない彼女は、気まずそうにしてから、言った。
「おー…………同士☆」
なにこのテンション。ふざけているのか。
「好きな人が、ここで死んだんです」
「あっ……(察し)」
波が、押し寄せては引き返す。
月を隠していた雲が晴れる。
「もしかすると……」
彼女が口を開けた。
真剣な感じで。
「精霊……とか、幽霊になって、見守ってくれてるかもよ?」
「だと、いいですけど」
……。
気まずい。
「実はね、私」
波が、彼女の足元へくると、ゆっくりと、足が変わっていく。
それは、まるで。
「人魚姫なんだ」
「えっ」
微笑む君は、月をバックにしているからか、神秘的に見えた。
「ごめんね。あの時……気づいてあげられなくて。」
「ね、私のことなんか忘れてさ。新しい恋、してくれない?」
「そうじゃないと、私……ちょっと辛いから」
ふつふつと、怒りが湧いてくる。
自分勝手だ。そんなの。
「無理だって!!」
気づいたら口にしていた。
「俺っ!こんなにも、こんなに、好きで好きで。」
「長年片思いしてるのに!?いきなり諦めろ!?」
涙が頬を伝う。
「そんなの!?無理だって!!」
ごめん。好きになって。
「ごめんね」
「なんで、君が謝るの?」
そういった時には、もう、誰も、いなかった。
「バイバイ」
風がそう、聞こえた気がする。
