夏祭り、君と初めて。

4.
「⋯⋯美味しい」

唇を舐める。
その表情は今まで見たどの表情よりも幸せで、そして悪戯な笑みを覗かせている。

「お、お前⋯⋯っ」

恥ずかしいやら怒りたいのか、さらに顔を真っ赤にし文句を言おうとしたその口をまた塞がされ、そしてそのまま押し倒された。

花火の音と歓声が混じる中、凪がほぼ一方的にしてくることをわずかな息をし、受け止めることで精一杯となり、押し返すことが出来なくなった。

人気のないところとはいえ、こんなことを外でするなんて恥ずかしい。けれども恥ずかしくて言えなかった恋人らしいことが出来て、嬉しくて胸がいっぱいになっている自分もいた。

好きだ、凪。

覆いかぶさっている凪の背中に腕を回して、降ってくる凪の気持ちごと強く抱きしめる。
びくっ、と身体を震わせる。

「⋯⋯夏生、こんなことするの良くなかった⋯⋯?」
「⋯⋯そりゃあ急にするもんだからびっくりしたけどさ⋯⋯嫌じゃない」
「⋯⋯⋯そっか」

ふふ、と楽しげに微笑んで再び軽く触れる。
まだやるのか、お前はとさすがに呆れたが、それでもここまで愛情表現をしてくれる相手を無下にするわけもなく、そのまま受け入れた。

夏祭り、誘って良かった。