独りぼっちの妖狐の娘は、一匹狼の龍神と結ばれる

 龍城(りゅうじょう)家に来て、一週間。
 私は、少しずつ、この家に慣れてきていた。
「さ、﨑(さきたつ)さん!……あの、えっと……お手伝い、しても、良い、です、か……?」
「まあ!そんな……。奥方様にお手伝いなんて……。そんなこと、させたら……」
「私が、やりたいんです……」
 誰かに必要とされたい。
 ただ、それだけだった。
 料理なら、誰かに必要とされるかもしれない。
 そう思ったのだ。
「でしたら、えーっと、そうですねぇ……。野菜を切ってくれますか?」
「はい、分かりました……」
 自信があるかないかと聞かれたら、多分、ない。
 でも、私にはこれしかないんだ。
 ……一年後には、使用人になっているかもしれないし。
「こんな感じで、良い、ですか……?」
「完璧です!すごいです!」
 ……今まで一度も料理で褒められたことなんてなかった。
 私は、出来損ないだから。
「あ、(ゆき)さま!お料理ですか?私もやります」
「は、花咲(はなさ)さんまで……!?」
 調理場で笑いが起こる。
 つられて、私も笑ってしまう。
 ……こうやって笑ったのは、いつぶりだろう。
(ゆき)さま!手伝います!」
「あ、じゃあ、え、っと……」
 ずっと、独りぼっちだった。
 誰も味方なんていなくて、誰も庇ってなんてくれなくて。
 そんな世界だった。
 でも、ここなら……。
 私は、私らしく生きられるだろうか……?