独りぼっちの妖狐の娘は、一匹狼の龍神と結ばれる

「さ、崎龍(さきたつ)さん!……あの、えっと……お手伝い、しても、良い、です、か……?」
「まあ!そんな……。奥方様にお手伝いなんて……。そんなこと、させたら……」
「私が、やりたいんです……」
 誰かに必要とされたい。
 ただ、それだけだった。
 料理なら、誰かに必要とされるかもしれない。
 そう思ったのだ。
「でしたら、えーっと、そうですねぇ……。野菜を切ってくれますか?」
「はい、分かりました……」
 自信があるかないかと聞かれたら、多分、ない。
 でも、私にはこれしかないんだ。
 ……一年後には、使用人になっているかもしれないし。
「こんな感じで、良い、ですか……?」
「完璧です!すごいです!」
 ……今まで一度も料理で褒められたことなんてなかった。
 私は、出来損ないだから。
「あ、(ゆき)さま!お料理ですか?私もやります」
「は、花咲(はなさ)さんまで……!?」
 調理場で笑いが起こる。
 つられて、私も笑ってしまう。
 ……こうやって笑ったのは、いつぶりだろう。
(ゆき)さま!手伝います!」
「あ、じゃあ、え、っと……」
 ずっと、独りぼっちだった。
 誰も味方なんていなくて、誰も庇ってなんてくれなくて。
 そんな世界だった。
 でも、ここなら……。
 私は、私らしく生きられるだろうか……?