独りぼっちの妖狐の娘は、一匹狼の龍神と結ばれる

「じゃあ、休憩にしましょうか」
「はい……」
 妖術についての説明と、あやかしについての説明を受けた後、少し妖術の訓練をした。
 孤ノ上(このうえ)家での訓練とは違って、あまり体力を使わない。
 こっちのほうが、私には合っている気がした。
「……なにかしますか?裁縫とか……」
「裁縫……」
 裁縫は、よくやっていた。
 少し破れてしまった服を縫ったり、破れてしまった服をもらって、縫い合わせて新しい服にしたり。
 裁縫ができないと、あそこでは生きられなかった。
「じゃあ、布と道具をもらってきますね!」
 花咲(はなさ)さんは、部屋を飛び出して、布をとってきてくれた。
「こ、こんな上質なもの……」
「自由に使って良いですよ。だって、(ゆき)さまは、(ひじり)さまの奥さんなんですから」
 ……私は、あの人の妻に相応しくない。
 妖術は使えないし、学歴もない。
 可愛くもない。
 体は傷だらけで、自分でなにかを決めることもできない。
 ……出来損ないの妖狐に、価値なんてない。
「なにを作りますか?」
「……なににしよう…………」
 自分でなにかを決められることがなかったから、なにも考えられない。
「……ぬいぐるみとか、作りますか?」
「はい……」
 花咲(はなさ)さんに気まずさを与えてしまったんじゃないかと不安になる。
「意外と簡単ですから、作りましょう。今日の授業はこれで終わっても良いですし」
「……良いん、ですか?」
「もちろんですよー!だって、急に初対面の相手に色々教わっても、緊張して中々覚えられないでしょう?だったら、先に仲良くなってから授業したほうが良いかな、って」
 気分を悪くはしていないみたいで、良かった……。
「ありがとう、ございます……」
「いえいえー。さあ、一緒に作りましょう!まずは――」