独りぼっちの妖狐の娘は、一匹狼の龍神と結ばれる

「はあ……。どうしてよりによって、(ゆき)なんだ……」
 龍城(りゅうじょう)さんが帰った後、居間では、緊急で家族会議が行われていた。
「でも、龍城(りゅうじょう)さんの頼みは断れないでしょう?……それに、(ゆき)がこの家からいなくなるんだから、良いことじゃない!」
 やっぱり、私はいらない存在……。
「……着物は、(はな)のおさがりをもらいなさい」
「はい……」
「白い着物と、黒い着物と、赤の着物ね。はい、あげる。汚いけど、許してよね?」
 私は、余所行きの着物を全く持っていなかった。
 ……まあ、これも結構ボロボロだけど、ないよりはマシだ。
「明日には全部用意してあげるから、感謝しなさいね」
「はい……」
 欲はない。
 あっても、苦しいだけだから。
 なにもいらない。
 なにも……。
「ねえ、(ゆき)。あの部屋、ちゃんと掃除してから出て行ってね。掃除とかめんどくさいからさー」
「はい……」
 (りん)も、私のことなんて嫌いだ。
「……なんでアンタなのよ!」
 姉上に蹴られる。
 それにも、もう慣れてしまった。
 もう、痛くなんてない。
 ただ、耐えるだけ……。
「ホントにムカつく!」
 家族が全員出て行く。
 私は、独りぼっちだった。