勇者たちの使命4 死の呼び声



 町ループの名前の由来は、気づいたら前の日にちに戻っていたというものだった。

『私たちが湖に行ったら気を付けなければならないことがあります』

 冒険者ギルドの職員というメグミは話し始める。

『ミキさんを探すために湖に行きますでしょ? その時、霧が立ち込めてきましたら直ぐに逃げた方が良いという事です』

 湖の畔に濃霧が立ち込めると、鉄でできた大きな箱が現れ、それに乗ると前の時間に戻るそうな。それを聞き記憶をまさぐると、タープは思い出した。

「大昔の勇者アレスさまが著書に残されていて、その大きな鉄の箱は異世界の電車というものだそうで、その異世界では『銀河鉄道』と呼ばれていたらしい。それだな」

『へぇ、タープさんもご存じでしたの?』

「もちろん。まるでミステリー小説やホラーじゃないか。子供には人気のおとぎ話だよ」

『事情がないと湖近辺には立ち入れないそうですよ』

 メグミの話を聞いてタープはふと考えを巡らす。前の時間に戻れるならミキが変なことに巻き込まれる前に何とか出来ないだろうか? そうすれば何の問題なく過去の生活に戻れる。やり直しが出来るじゃないか、と。

『その電車という乗り物は、何らかの魔物が餌として召喚しているとも言われています。乗り込んだ人間が元に戻ってこられないのは、単に喰われてしまったとか、冒険者ギルドでも警戒している事案でもあるんですよね』

「なるほどな……僕たち二人では力不足か」

 時を操る超常現象より魔物の仕業という方がしっくりする。

『Cクラスの冒険者に同行を依頼してみませんか?』

 ふむ……タープは考え込んだ。ミキが自殺を図るならループ町の近場にある湖だろう。そして、そこでミキを確保するとしても、濃霧に包まれて異様な鉄の箱『銀河鉄道』とかいう幻の異変を起こす物体が現れるなら巻き込まれたら危険だし、その電車とやらを操るのが魔物だとすれば強力な力を持つに違いない。

 更に言えば、そんな強力な魔物に勝てるのか不安でもある。

「危機管理的に言えばCクラスの先輩冒険者に頼むというのはミキの恥ずかしい件まで知られてしまうことになるなぁ、その点は少し嫌だけど、僕たちの安全を考えるとやむを得ないか」

『午前中に手配しませんか? 冒険者ギルドのフロアに臨時パーティ参加の希望者さんがいれば早いと思います』

「ダメもとだし、いいか」

 ◇

 【冒険者ギルド】

 丁度その時、ギルドのフロアーではケン・ウサン・クセーノというC級冒険者が臨時パーティの募集をしていた。名前のせいで仲間が出来ず単独行動がメインの男性である。二十五歳前後、戦闘職である。髪の毛はボサボサであるものの決して不潔ではなく清潔感はあった。

『俺のことはケンと呼んでくれ』

 ◇



霧の中から現れた朽ちた謎の電車を前にした左からケン(新キャラ)、メグミ、タープの三人。





★予約投稿、短くてすみません。退院後に続きを書きます。