勇者たちの使命

 ぼくたちは朝早くにジャッキ村を出発し、(まかない)のメイドさんや騎士たちを村に残し、魔王城への地下トンネルを突き進んだ。

 魔族の抵抗は蹴散らし、順調に魔王城そばの最後のセーフティゾーンまで辿り着いた。ここまで来たらひと安心。体力の回復などをして休憩をはさみ、最後のMTGを行った。

 サトシ
「とうとう魔王城まで無事に辿り着いた。予想よりも順調で、何の不安もなく作戦をこなしている。これほど順調なのは、ぼくたちの友情、絆、各々の努力であったと思う。みんな、つたないリーダーだったけど協力ありがとう」

「「おう!」」

「「はいっ」」

 サトシ
「これからパーティの一人であるヨシタカくんが抜ける。彼が地上に行く前に、最後に何か話しておくことはないか?」

 ヨシタカ
「?」

 ミズハ
「はい。あ、あのね、ヨシタカ君。一緒に加護の授かった教会へ行くという約束、覚えてるかな? ユアイちゃんと一緒で三人だから、二人きりじゃないから、行こうね」

 ヨシタカ
「うん、約束だもんね」

 ミズハ
「あ、ありがとう、ありがとうね」

 泣きそうな顔をしている。どうしたんだろう? 魔王を倒したら直ぐに会えるのに。

 ユアイ
「次はわたし。お兄ちゃん、今までありがとう。……うん。あの、その、わたし、ミキオ君と結婚するよ」

 ヨシタカ
「な、なんだってぇーー!!!」

 ミキオ
「……、あ、すまん! ヨシタカ。おれさ、ユアイちゃんに一目惚れしてたんだわ、言わなくて、すまなかった。今言ったから、許してな」

 ヨシタカ
「えぇ~~、そんな、おめでたい事じゃないか。もっと早く言ってくれよ。ユアイもさ。お祝い品を探さなきゃな。忙しくなるぞ」

 ユアイ
「う、うん、……ありがと、お兄ちゃん」

 どうしたユアイ、うれし泣きか? 決戦前にそんな精神状態になるなんて、修行が足りぬよ。

 ヨシタカ
「なんだか全員、シアワセ光線を出しまくってる、ぼくだけ不幸みたいじゃないか。そんな顔しないでよ。ぼくだって、恋人の一人や二人、すぐに作っちゃうからね」

 ミズハ
「恋人は同時に二人作っちゃダメだよ、ヨシタカ君」

 ★

 サトシ
「さてヨシタカくん、今朝の話なんだが、ジャッキ村の精鋭を借りて、地上の警戒をしてもらっているんだ。敵の俊滅も兼ねて。そのおかげで、ヨシタカくんが地上で待っている必要がなくなった。いち早く先に王都へ帰って欲しい。僕らはなるべく早く追いかけるから、先に宿でも取って待っててくれ」

 ヨシタカ
「えっ? それじゃ魔王討伐の結果をぼくが確認する前に、王都に行かなきゃならないの?」

 サトシ
「ここまで来たら、女神様の啓示と結果が変わらないものなんだ。啓示は的中率100%だからね。王都で遠慮なく羽をのばしてくれ。女遊びはするなよ」

 ヨシタカ
「ミキオみたいなこと言わないでくれ」

 ミキオ
「まぁ話し込むのは何だから俺は黙っておく」

 サトシ
「それじゃ、国王陛下へ僕たちの勝利メッセージを無事に送り届けてくれよ」

 ヨシタカ
「うん、了解したよ!」

 サトシ
「みんなに強化を付与してくれ」

 ヨシタカ
「ぼくの最大級を与えるよ。みんな無敵になるからね。むんっ! 今、付与かけたよ」

 全員
「「ありがとう」」

 サトシ
「それじゃ、地上で、王都で会おうな。地上へ行ってこい、転送!」

 ヨシタカがその場で消えた。転送が上手く行った後で、全員が目を合わせる。強い覚悟の伴った目であった。

 ★

 サトシ
「よし、作戦通り、乗り込むぞ!」

「「はいっ」」

「おう!」