この話はテストに出ない

4.
 
 画面の向こうで、樹が台に登る。競争の舞台にありながらも、どこか楽しむようなその姿は、見ているこちらまで嬉しくなる。
 メダルを首にかけ、樹はポケットからボロボロになったシロクマのぬいぐるみを取り出して、カメラに見せた。樹は手を振りながらとびっきりの笑顔で笑っていた。
 悠未も、ずっとそばに置いていたペンギンのぬいぐるみと一緒に手を振った。
「やったね、樹。おめでとう」
 
『想像の微笑』 完