オフィスの窓から見る街は、パリッとした冬の空気に包まれている。近くのビルの壁を照らす光は明るいけれど、まだ熱はない。ただ、冬の底からゆっくりと季節が動き出した気がした。
暖房が効きすぎる室内は、喉が乾く。
昼休憩で買ったチャイラテも、もう飲み終わりそうだ。
ユニセックスラインのローンチから、二ヶ月以上が経った。
炎上は落ち着き、売上も最悪の落ち込みからは持ち直していた。間もなく春夏シーズンのアイテムも発売になる。それでも、会議室で突き刺さった視線、SNSのコメントを見た時の身体の震え──まだはっきりと覚えている。
自席で、オンライン発売予定のアイテムのページの最終チェックをしていた時のこと。情報共有ツールのメッセージでプレスチームに呼ばれ、私は席を立った。
廊下に出ると、先輩が誰かと話しているのが見えた。
外から帰ってきたばかりの先輩は、コートを脱ぎ「暑い」と言いながら、手でパタパタと顔をあおいでいる。目が合って、私はペコリと一礼した。
あれから先輩は、ユニセックスラインのプロジェクトを抜け、生産管理部門からも外れることになった。今は全国にある店舗スタッフのトレーニングを担当していて「社内異動も自分の成長に必要」と話してくれたけれど、私はまだ、あの時のまま止まっていた。
私はプレスチームの待つ、ショールームへ足を向けようとして──意を決すると、彼女の元に駆け寄った。
「あのっ、先輩! 少しよろしいですか」
暖房が効きすぎる室内は、喉が乾く。
昼休憩で買ったチャイラテも、もう飲み終わりそうだ。
ユニセックスラインのローンチから、二ヶ月以上が経った。
炎上は落ち着き、売上も最悪の落ち込みからは持ち直していた。間もなく春夏シーズンのアイテムも発売になる。それでも、会議室で突き刺さった視線、SNSのコメントを見た時の身体の震え──まだはっきりと覚えている。
自席で、オンライン発売予定のアイテムのページの最終チェックをしていた時のこと。情報共有ツールのメッセージでプレスチームに呼ばれ、私は席を立った。
廊下に出ると、先輩が誰かと話しているのが見えた。
外から帰ってきたばかりの先輩は、コートを脱ぎ「暑い」と言いながら、手でパタパタと顔をあおいでいる。目が合って、私はペコリと一礼した。
あれから先輩は、ユニセックスラインのプロジェクトを抜け、生産管理部門からも外れることになった。今は全国にある店舗スタッフのトレーニングを担当していて「社内異動も自分の成長に必要」と話してくれたけれど、私はまだ、あの時のまま止まっていた。
私はプレスチームの待つ、ショールームへ足を向けようとして──意を決すると、彼女の元に駆け寄った。
「あのっ、先輩! 少しよろしいですか」

