「なんか、外から声が──」
廊下に出てきたのは、隣人のお兄さん……じゃない。
見ず知らずの、同年齢ぐらいの男子で──もしかして、さっきコンビニ前でぶつかった人?
少し乱れたダークブラウンの髪。額にかかる前髪の下から覗く、大きく澄んだ瞳は、どこか疲れを含んでいる。スッと通った鼻筋と、キュッと弧を描く唇。極めつけは、廊下の鈍い灯りに照らされても、くすむことのない滑らかな白い肌。
訝しげな視線をこちらに向けるその人と、目が合った。
「……何だ、これ」
どう見たって顔のいい人類に分類されるその人は、キムチまみれの床を見ると、静かに吐き捨てた。そのまま眉を軽く寄せ、わずかに肩を落とす姿は、疲れと戸惑いをストレートに語っているみたいで。なんで隣人のお兄さんの部屋から、この人が出てくるんだろう。でも、そんな疑問をぶつける余裕なんて、ない。
「あ、えぇっと……こ、転んじゃって。すみません、すぐ片付けますので! 掃除、こう見えて得意なんですっ」
私の乾いた声が、廊下に響く。
心拍数が跳ね上がり、顔が火照ってゆく。きっと耳まで真っ赤だ。
この気まずい状況から、一秒でも早く逃げ出したい。
「あれ、お隣の珠生ちゃん? どうしたのこれ。大丈夫?」
パタパタと軽快なサンダル音と共に、立ち尽くしたままの彼の後ろから、もうひとりの男性が顔を出した。出てきたのは、隣人のお兄さんこと蒼樹さん。
蒼樹さんは、私の顔を見るなり状況を察したのか、笑いながら教えてくれた。
「あぁ、こっちは弟の侑樹。見てのとおり、顔はいいんだけど、中身ちょっと拗らせてるから。ごめんね? とりあえず、ソレ一緒に片付けようか」
廊下に出てきたのは、隣人のお兄さん……じゃない。
見ず知らずの、同年齢ぐらいの男子で──もしかして、さっきコンビニ前でぶつかった人?
少し乱れたダークブラウンの髪。額にかかる前髪の下から覗く、大きく澄んだ瞳は、どこか疲れを含んでいる。スッと通った鼻筋と、キュッと弧を描く唇。極めつけは、廊下の鈍い灯りに照らされても、くすむことのない滑らかな白い肌。
訝しげな視線をこちらに向けるその人と、目が合った。
「……何だ、これ」
どう見たって顔のいい人類に分類されるその人は、キムチまみれの床を見ると、静かに吐き捨てた。そのまま眉を軽く寄せ、わずかに肩を落とす姿は、疲れと戸惑いをストレートに語っているみたいで。なんで隣人のお兄さんの部屋から、この人が出てくるんだろう。でも、そんな疑問をぶつける余裕なんて、ない。
「あ、えぇっと……こ、転んじゃって。すみません、すぐ片付けますので! 掃除、こう見えて得意なんですっ」
私の乾いた声が、廊下に響く。
心拍数が跳ね上がり、顔が火照ってゆく。きっと耳まで真っ赤だ。
この気まずい状況から、一秒でも早く逃げ出したい。
「あれ、お隣の珠生ちゃん? どうしたのこれ。大丈夫?」
パタパタと軽快なサンダル音と共に、立ち尽くしたままの彼の後ろから、もうひとりの男性が顔を出した。出てきたのは、隣人のお兄さんこと蒼樹さん。
蒼樹さんは、私の顔を見るなり状況を察したのか、笑いながら教えてくれた。
「あぁ、こっちは弟の侑樹。見てのとおり、顔はいいんだけど、中身ちょっと拗らせてるから。ごめんね? とりあえず、ソレ一緒に片付けようか」

