彼に「で。話溜まってるんだろ?」と促され、私はぽつぽつと今日の出来事を話し始めた。誰かの役に立ちたい、先輩の代わりに完璧に進めようとした結果、先輩をフォローに走らせ、プロジェクトチームに迷惑をかけてしまったこと。
「お疲れ。それでも、よくやったんじゃないの」
彼はいつもと変わることなく、静かに聞いてくれた。相槌も少なく、ただこちらを見ている。その視線はあたたかくて。居心地が良くて、ついつい本音をこぼしてしまう。
この人といると、不思議と心が落ち着く。
ふと、そう思った。弱っている自分を無理に励ましたりせず、黙って受け止めてくれる。失敗続きの一日の終わりを、ひとりで過ごすのはさみしい。でも今は──ほら、さみしくない。
たったそれだけが救いに思えて、口角が上がってしまう。
「なに笑ってんの? つうか、さっきから俺の顔見すぎ」
「へへっ……え、えっと。ほら。侑樹って肌きれいだなぁって! スキンケアとかどうしてるの」
すかさず彼に突っ込まれ、笑って誤魔化したのは見逃してほしい。
彼の澄んだ瞳に宿るかすかな光と翳りも、滑らかな肌も、彫刻のように引き締まったシャープなフェイスラインも……それから、思ったよりも肩幅があることも。
いつの間にか知ってしまった。
……少しだけ彼の過去も。
薄い壁を隔てていても、手を伸ばせば届きそうな距離にいる彼と、目が合った。夜の熱が視線を伝って流れ込んできたみたいに、頬が熱を帯びる。甘く歪みそうな感情を悟られたくなくて、私は慌てて視線を外した。
「お疲れ。それでも、よくやったんじゃないの」
彼はいつもと変わることなく、静かに聞いてくれた。相槌も少なく、ただこちらを見ている。その視線はあたたかくて。居心地が良くて、ついつい本音をこぼしてしまう。
この人といると、不思議と心が落ち着く。
ふと、そう思った。弱っている自分を無理に励ましたりせず、黙って受け止めてくれる。失敗続きの一日の終わりを、ひとりで過ごすのはさみしい。でも今は──ほら、さみしくない。
たったそれだけが救いに思えて、口角が上がってしまう。
「なに笑ってんの? つうか、さっきから俺の顔見すぎ」
「へへっ……え、えっと。ほら。侑樹って肌きれいだなぁって! スキンケアとかどうしてるの」
すかさず彼に突っ込まれ、笑って誤魔化したのは見逃してほしい。
彼の澄んだ瞳に宿るかすかな光と翳りも、滑らかな肌も、彫刻のように引き締まったシャープなフェイスラインも……それから、思ったよりも肩幅があることも。
いつの間にか知ってしまった。
……少しだけ彼の過去も。
薄い壁を隔てていても、手を伸ばせば届きそうな距離にいる彼と、目が合った。夜の熱が視線を伝って流れ込んできたみたいに、頬が熱を帯びる。甘く歪みそうな感情を悟られたくなくて、私は慌てて視線を外した。

