灰色の空から舞い落ちる白い欠片を眺めていたら、大好きな人のことを思い出した。
駅から学校までいつものようにランニングし、七時過ぎに校門についた。
「よし、今日も一番乗りだ!」
吐き出す息が白く濁る。
勇んで敷地内に入ると、雪でうっすら白くなった地面に守衛さんの靴跡とは違うものが続いていることに気がついた。
「誰だ、これ」
校門から部室棟へ続いている。あとを追うように部室に行ったものの、人の気配はない。
ためしにバド部の部室に入ると、あるロッカーだけ鍵が開いていた。
「ここのロッカーって、え、まさか!」
慌てて部室棟を飛び出すと足跡は体育館に続いていた。すでに電気がついている。鉄の扉に飛びつき、勢いよくスライドさせた。
――ガララ! と開ききる。
「おっはようこざいまーす!!」
いつもの癖で大声で叫んだ。
ずらりと並んだバドミントンのコート。その真ん中に黒いTシャツの人影がある。キン、と冷たい空気の中で肘を伸ばしてストレッチしている。
ゆっくりと振り向き、微笑んだ。
「おはよう。大輝」
「先……輩……?」
毎日電話やメールでやりとりしているのに、こんなの聞いてない。
「サプライズだよ、サプライズ」
振り返ると、嬉しそうにラケットを掲げた。
「やっと戻ってこられたんだ。また一緒にバドしよう」
子どもみたいな笑顔を浮かべる。
――とくん、と胸が弾んだ。
これから始まる苦しい戦いと、その先に掴む喜びと、隣で笑ってくれる人のことを考えると顔が緩むのを抑えきれない。
おれは。大好きな人と一緒に大好きなバドミントンができるのだ。こんなに幸せなことがあるだろうか。
「今日からまたよろしくお願いします! 雪也先輩!」
冷たい床を踏みしめ、先輩の胸に飛び込んだ。
終わり。
駅から学校までいつものようにランニングし、七時過ぎに校門についた。
「よし、今日も一番乗りだ!」
吐き出す息が白く濁る。
勇んで敷地内に入ると、雪でうっすら白くなった地面に守衛さんの靴跡とは違うものが続いていることに気がついた。
「誰だ、これ」
校門から部室棟へ続いている。あとを追うように部室に行ったものの、人の気配はない。
ためしにバド部の部室に入ると、あるロッカーだけ鍵が開いていた。
「ここのロッカーって、え、まさか!」
慌てて部室棟を飛び出すと足跡は体育館に続いていた。すでに電気がついている。鉄の扉に飛びつき、勢いよくスライドさせた。
――ガララ! と開ききる。
「おっはようこざいまーす!!」
いつもの癖で大声で叫んだ。
ずらりと並んだバドミントンのコート。その真ん中に黒いTシャツの人影がある。キン、と冷たい空気の中で肘を伸ばしてストレッチしている。
ゆっくりと振り向き、微笑んだ。
「おはよう。大輝」
「先……輩……?」
毎日電話やメールでやりとりしているのに、こんなの聞いてない。
「サプライズだよ、サプライズ」
振り返ると、嬉しそうにラケットを掲げた。
「やっと戻ってこられたんだ。また一緒にバドしよう」
子どもみたいな笑顔を浮かべる。
――とくん、と胸が弾んだ。
これから始まる苦しい戦いと、その先に掴む喜びと、隣で笑ってくれる人のことを考えると顔が緩むのを抑えきれない。
おれは。大好きな人と一緒に大好きなバドミントンができるのだ。こんなに幸せなことがあるだろうか。
「今日からまたよろしくお願いします! 雪也先輩!」
冷たい床を踏みしめ、先輩の胸に飛び込んだ。
終わり。

