9.
なんて驚異的な速さなんだろう。羨ましく思ったが、疲れて授業中に寝てしまい、授業まできちんと参加していなければ意味がない。
「どうしてそこまで走るの?」
「そこに道があるから」
そんなそこに山があるからみたいなノリで。
即答で言われたことに思わず突っ込みたくなった。
「お前、何か部活入ってんの?」
「美術部入ってるけど⋯⋯」
「美術部って、絵を描くのが好きだから入ってるんだろう? それと同じ感じで俺は走るのが好きだから入ってんの。ただそれだけの理由じゃん」
人差し指を立てて宙に円を描いていた青葦が歯を見せて笑った。
心臓が跳ね上がった。
ただ笑っただけなのに。不意を突かれて驚く時とは違う反応。
怖く感じていた目つきも人懐っこい表情を見せられたからか、目を合わせて見ていたいと思っている。なんなんだろう、これは。
「さっきから気になっていたんだけど、持っているそれって何?」
「あ、あ⋯⋯いや、これは⋯⋯」
しどろもどろになりながらもぎゅっと抱きしめる。
こんなの本人に見られたら死刑ものだ。
明日から学校に行けなくなる。
後退る月岡が出た行動は一つ。
「見せられるものじゃないから!」
自分でもびっくりするぐらいの大声を上げ、「えっ、あ」と目を丸くする青葦を残して、教室を後にした。
なんて驚異的な速さなんだろう。羨ましく思ったが、疲れて授業中に寝てしまい、授業まできちんと参加していなければ意味がない。
「どうしてそこまで走るの?」
「そこに道があるから」
そんなそこに山があるからみたいなノリで。
即答で言われたことに思わず突っ込みたくなった。
「お前、何か部活入ってんの?」
「美術部入ってるけど⋯⋯」
「美術部って、絵を描くのが好きだから入ってるんだろう? それと同じ感じで俺は走るのが好きだから入ってんの。ただそれだけの理由じゃん」
人差し指を立てて宙に円を描いていた青葦が歯を見せて笑った。
心臓が跳ね上がった。
ただ笑っただけなのに。不意を突かれて驚く時とは違う反応。
怖く感じていた目つきも人懐っこい表情を見せられたからか、目を合わせて見ていたいと思っている。なんなんだろう、これは。
「さっきから気になっていたんだけど、持っているそれって何?」
「あ、あ⋯⋯いや、これは⋯⋯」
しどろもどろになりながらもぎゅっと抱きしめる。
こんなの本人に見られたら死刑ものだ。
明日から学校に行けなくなる。
後退る月岡が出た行動は一つ。
「見せられるものじゃないから!」
自分でもびっくりするぐらいの大声を上げ、「えっ、あ」と目を丸くする青葦を残して、教室を後にした。
