希-コイネガ-う思慕を描きとめる

17.

昼休み。ページを見返してみると、あった。

今朝、青葦のことを盗撮し、こちらを睨みつけていた女子のスマホの物だった。
同じクラスだったとは。今まで気づかなかったのは、さほど目立った行動をしていなかったからか。
⋯⋯大半が青葦の寝顔をスケッチしていたからかもしれないが。
今朝初めて陸上部の朝練しているところに行き、たまたま見かけたがあの様子だとよく行っている可能性が高い。青葦の私物を盗んでいる可能性も否めない。注意深く観察しなければ。

「月岡。また何か描いてんの」
「⋯⋯へ?」

顔を上げると目の前に前の席に座り、軽く笑う青葦の姿があった。

「あ、いや⋯⋯へ⋯⋯? 青葦君、なんでここに」
「なんでって、月岡と食おうかと思って」
「なんで、僕と⋯⋯?」
「友達なんだから食うのは普通だろ?」

何を当たり前なことを、と言う青葦に月岡は衝撃を食らった。

え、いつ? いつ僕達は友達という関係になったんだっけ? 昨日の放課後? いや、あんな別れ方をした相手にそう思うはずがなくない? だとしたら今朝? 今朝、ただ絵を見せただけ⋯⋯。
もしかして早口で言ったアレのこと!? アレは青葦君からしたら褒め言葉として受け取ったのかな。でも、アレだけのことで⋯⋯。

「あー⋯⋯なんか都合悪い? 宿題をやらないといけないとか一人て食いたいとか」
「あっ、いやいや! 別に! だ、大丈夫!」
「なら食おうぜ」

にこっと笑う。
心から嬉しそうに笑うそれにつられ笑いをしていた。
爽やかイケメンだと言われる所以がよく分かる。
眩しく感じ、その眩しさで自分の存在が消えてしまうかと思うほどだった。