希-コイネガ-う思慕を描きとめる

16.

今日も例に漏れず、青葦は授業中眠りこけていた。

毎日のようにそんな彼をスケッチしているが、やや違うことに気づかされる。
大体は左腕に頭を乗せて寝ているが、突っ伏していたり、頬杖をついていたり、腕を組んで考えているように見えるが、実は寝ている、なんてこともあった。
寝る姿でもこんなにもあるんだなと妙な感心をしている一方、毎度こんなにも寝ていて成績の方は大丈夫なのかと心配になる面もあった。

「こーら、青葦君。寝てないで先生の話を聞いてもらえるー?」

肩を揺すって起こそうとする先生の声でハッとする。

青葦ばかりじゃなく、周りの方にも注意を向けないと。

周りに目を向けると、大半はそんな二人のやり取りを見て、クスクス笑っていたり、「先生の声が心地良いからついつい寝ちゃうんだよな。なっ、青葦」と無意味なフォローのようで冗談めかして言う友人の一人であったり、それらを気にとめず、板書を写していたり、中にはスマホを弄っている人もいた。

それこそ先生に注意されればいいのにと思うものであったが、何故かそのスマホに付いているものが気になった。
それは何かのロゴらしく、ピンクの背景に白の文字で書かれていた。

どこかで見たことがある。どこでだったっけとスケッチブックのページを捲ろうとした時、青葦に声を掛けていた先生が教科書の文を読み上げながらこちらに近づいてくる。
慌ててスケッチブックを机の中に入れ、教科書に目を向けた。

月岡の横を通り過ぎ、教卓へ向かう先生の後ろ姿を見て、小さくため息を吐いた月岡は何となしに青葦の方を見た。

起きたばかりだからか、頬杖をついて、今にも寝そうな目で一点を見つめていた。
こういう彼を見るのは初めてではないが、また寝やしないかと内心冷や冷やしていた。
毎回寝てばかりだとあまり良く思われていなく、現に物を盗まれたことを訴えても真剣に対応してくれなさそうだと言っていた。

何とかしてあげられないだろうか。