14.
「月岡、まだいたのか」
「夢中で描いていたら、終わりまでいたみたい」
「は? 月岡? こんなところで何してんの?」
「スケッチしてんだとよ」
「スケッチ⋯?」
青葦の友人らしき同級生が頭に疑問符を浮かべているのを、青葦が「俺と同じ反応⋯⋯ッ」と笑いながら簡単に説明していた。
「ってことは何か描いていたわけ? どんなの描いてたん? 見せて」
「やめとけ。本人が嫌がってんだろ」
ぐっとスケッチブックを持つ手に力が入ったのと同時の出来事だった。
拍子抜けした。青葦がそう言ってくるなんて。
「あーそっか、わりぃ。気になるけど無理強いは良くないよな、無理強いは」
とは言っていたが、口で言うほど興味がないようで話題はすぐゲームアプリらしき話をしていた。
話題が逸れて良かったと胸を撫で下ろす。
青葦が咄嗟にそう言ってくれたのは、月岡が昨日あのような態度を見せてしまったからだろう。申し訳なく思うが、同時に嬉しく思った。
口は悪いけれど人が言ったことを忘れずにいてくれ、気遣いができ、それからこうして間に入って諌めてくれる。
青葦のことを憧れの眼差しで見ている女子達はどこまで知っているだろうか。自分だけ知っているとしたら、優越感に浸ってしまう。人の顔を見るなり睨みつけてきた女子にだって得意げな顔をしてしまう。
そこまで思うのはさっきの女子に対し少なからず怒りを感じているからかもしれない。
「なぁ、月岡もゲームすんの?」
「へ⋯⋯? え、いや、しないかな⋯⋯」
「そうなんか。じゃ、やっぱ絵を描いたり?」
「うん、それが大半かな」
「めっちゃ絵を描くのが好きなのな。俺も俺で走るのめっちゃ好きだけどな。熱量は違うかもだけど」
「お前、隙あらば走ることばかり! お前どんだけなんだよ!」
「だから俺は誰よりも速いってわけ。分かってんだろ」
「はぁー?! うっざー!」
青葦を挟んで向こう側にいた友人が勢いつけ肩を組んでは大笑いをしていた。
「月岡、まだいたのか」
「夢中で描いていたら、終わりまでいたみたい」
「は? 月岡? こんなところで何してんの?」
「スケッチしてんだとよ」
「スケッチ⋯?」
青葦の友人らしき同級生が頭に疑問符を浮かべているのを、青葦が「俺と同じ反応⋯⋯ッ」と笑いながら簡単に説明していた。
「ってことは何か描いていたわけ? どんなの描いてたん? 見せて」
「やめとけ。本人が嫌がってんだろ」
ぐっとスケッチブックを持つ手に力が入ったのと同時の出来事だった。
拍子抜けした。青葦がそう言ってくるなんて。
「あーそっか、わりぃ。気になるけど無理強いは良くないよな、無理強いは」
とは言っていたが、口で言うほど興味がないようで話題はすぐゲームアプリらしき話をしていた。
話題が逸れて良かったと胸を撫で下ろす。
青葦が咄嗟にそう言ってくれたのは、月岡が昨日あのような態度を見せてしまったからだろう。申し訳なく思うが、同時に嬉しく思った。
口は悪いけれど人が言ったことを忘れずにいてくれ、気遣いができ、それからこうして間に入って諌めてくれる。
青葦のことを憧れの眼差しで見ている女子達はどこまで知っているだろうか。自分だけ知っているとしたら、優越感に浸ってしまう。人の顔を見るなり睨みつけてきた女子にだって得意げな顔をしてしまう。
そこまで思うのはさっきの女子に対し少なからず怒りを感じているからかもしれない。
「なぁ、月岡もゲームすんの?」
「へ⋯⋯? え、いや、しないかな⋯⋯」
「そうなんか。じゃ、やっぱ絵を描いたり?」
「うん、それが大半かな」
「めっちゃ絵を描くのが好きなのな。俺も俺で走るのめっちゃ好きだけどな。熱量は違うかもだけど」
「お前、隙あらば走ることばかり! お前どんだけなんだよ!」
「だから俺は誰よりも速いってわけ。分かってんだろ」
「はぁー?! うっざー!」
青葦を挟んで向こう側にいた友人が勢いつけ肩を組んでは大笑いをしていた。
