12.
「あ、あっ、ごめん⋯⋯。熱弁しちゃって⋯⋯。青葦君の走る姿に感動したんだよね⋯⋯」
恥ずかしくなり、顔を逸らしてはスケッチブックで隠そうとした時、「マジか」と声を上げた。
「そういう視点で言ってくれるヤツがいなかったから、初めて言われたわ。お前、面白い考え方してんな」
「え、面白い、かな⋯⋯」
「しかもめっちゃ喋るし。ウケる」
途端、声を震わせた口元を押さえている。肩も震わせている。
面白くて耐えきれないといった様子だ。さらに頬が熱くなる。
今すぐにでも逃げ出したいと羞恥で震わせていたその時、カシャという音が聞こえたような気がした。
「キャー! 青葦君の笑った顔が撮れたぁ!」
続けざまに聞こえた声に顔を向けると、スマホを片手に今にも飛び上がらんばかりに喜んでいる女子がいた。
「⋯⋯チッ、今日も撮ってんのかよ。おもんな」
眉間に皺を寄せた青葦はさっきいた場所に戻ってしまった。
呆気に取られた月岡だったが、写真を撮られることが日常茶飯事だということを知り、改めて勝手に撮っていた女子のことを見る。
肩まで伸ばした髪に、どちらかというと控えめな雰囲気があるが可愛らしい顔立ちと思える相手だった。
見たことがない顔だが同学年だろうか。
青葦と関係があるかもしれないと新しいページにさっそくスケッチしようとした時だった。
顔を上げた際、その女子と目が合ってしまった。瞬間、その女子は夢心地な笑みから一変、ムッとした顔へと変貌した。
見知らぬ人とたまたま目が合った時、途端に不機嫌になる人がいるがまさしくそれに近かった。
彼女はフンッとそっぽを向いたかと思うと、踵を返して校舎の方へと行った。
「あ、あっ、ごめん⋯⋯。熱弁しちゃって⋯⋯。青葦君の走る姿に感動したんだよね⋯⋯」
恥ずかしくなり、顔を逸らしてはスケッチブックで隠そうとした時、「マジか」と声を上げた。
「そういう視点で言ってくれるヤツがいなかったから、初めて言われたわ。お前、面白い考え方してんな」
「え、面白い、かな⋯⋯」
「しかもめっちゃ喋るし。ウケる」
途端、声を震わせた口元を押さえている。肩も震わせている。
面白くて耐えきれないといった様子だ。さらに頬が熱くなる。
今すぐにでも逃げ出したいと羞恥で震わせていたその時、カシャという音が聞こえたような気がした。
「キャー! 青葦君の笑った顔が撮れたぁ!」
続けざまに聞こえた声に顔を向けると、スマホを片手に今にも飛び上がらんばかりに喜んでいる女子がいた。
「⋯⋯チッ、今日も撮ってんのかよ。おもんな」
眉間に皺を寄せた青葦はさっきいた場所に戻ってしまった。
呆気に取られた月岡だったが、写真を撮られることが日常茶飯事だということを知り、改めて勝手に撮っていた女子のことを見る。
肩まで伸ばした髪に、どちらかというと控えめな雰囲気があるが可愛らしい顔立ちと思える相手だった。
見たことがない顔だが同学年だろうか。
青葦と関係があるかもしれないと新しいページにさっそくスケッチしようとした時だった。
顔を上げた際、その女子と目が合ってしまった。瞬間、その女子は夢心地な笑みから一変、ムッとした顔へと変貌した。
見知らぬ人とたまたま目が合った時、途端に不機嫌になる人がいるがまさしくそれに近かった。
彼女はフンッとそっぽを向いたかと思うと、踵を返して校舎の方へと行った。
