10.
昨日はなんて失態をしてしまったのだろう。
頭を抱えた月岡ははぁー⋯と大きなため息を吐いた。
が、青葦の姿を思い出した時、ぼっと火がついたかのように熱くなった。
本当にどうしたのだろう。自分が描いた絵の影響でそんな気持ちになっているのか。
でも絵画を見た時でもこんな気持ちにはならなかった。
この気持ちは一体⋯⋯。
「あれ、静。こんな時間に学校行くの? 早くない?」
「あ⋯⋯あ、うん。早く行って、部活の課題をやりたくて」
「そう、熱心ね。気をつけて行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
やや慌てて家を出た。
母が起きてくる前に行こうとしていたのに気づかれてしまった。
とっさの嘘にもバレやしないかと早まる鼓動を押さえつつ、足早と学校に向かった。
運動部がいつから始めているか知らないが、きっとやっているはず。
グラウンドに向かうと準備体操をしている最中だった。
青葦はいないかと姿を捜す。すると、いた。
腕を伸ばしながら隣にいる友人らしき相手と喋っている。
昨日見た表情とは違う笑い方。
月岡はグラウンドへ続く階段に座り、スケッチブックを取り出すと、その様子を描きとめた。
体操をし終えた部員がラインカーで地面に直線を書き出していたところで、ハッとした。
いけない。ただ青葦を描いている場合ではない。
誰が青葦の物を盗むのかも注意深く見なくては。
一旦青葦から視線を外した月岡は全体に目を向けた。
こうして朝早くに来たのは、青葦の持ち物を盗む犯人を見つけ出すためだ。
彼の一日の動向を観察していれば、恐らく見つかるかもしれない、と。
昨日はなんて失態をしてしまったのだろう。
頭を抱えた月岡ははぁー⋯と大きなため息を吐いた。
が、青葦の姿を思い出した時、ぼっと火がついたかのように熱くなった。
本当にどうしたのだろう。自分が描いた絵の影響でそんな気持ちになっているのか。
でも絵画を見た時でもこんな気持ちにはならなかった。
この気持ちは一体⋯⋯。
「あれ、静。こんな時間に学校行くの? 早くない?」
「あ⋯⋯あ、うん。早く行って、部活の課題をやりたくて」
「そう、熱心ね。気をつけて行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
やや慌てて家を出た。
母が起きてくる前に行こうとしていたのに気づかれてしまった。
とっさの嘘にもバレやしないかと早まる鼓動を押さえつつ、足早と学校に向かった。
運動部がいつから始めているか知らないが、きっとやっているはず。
グラウンドに向かうと準備体操をしている最中だった。
青葦はいないかと姿を捜す。すると、いた。
腕を伸ばしながら隣にいる友人らしき相手と喋っている。
昨日見た表情とは違う笑い方。
月岡はグラウンドへ続く階段に座り、スケッチブックを取り出すと、その様子を描きとめた。
体操をし終えた部員がラインカーで地面に直線を書き出していたところで、ハッとした。
いけない。ただ青葦を描いている場合ではない。
誰が青葦の物を盗むのかも注意深く見なくては。
一旦青葦から視線を外した月岡は全体に目を向けた。
こうして朝早くに来たのは、青葦の持ち物を盗む犯人を見つけ出すためだ。
彼の一日の動向を観察していれば、恐らく見つかるかもしれない、と。
