1.
授業中、先生の話を聞く振りをしてよそ見する。
その目線の先には暖かい陽の光に照らされて眠る男子がいた。
陸上部の青葦獅王。
彼は今日も朝練をしてきたのだろう。その疲れからなのか、こうして授業中に寝ているところを度々見かける。
そして、それを度々スケッチする。
汗で濡れてしっとりとしている日焼けで茶色がかった黒髪。陽光を受けて淡い金粉のように舞う無数の塵の中、目を瞑る青葦の姿に目が離せなかった。
いつの間にか描く手が止まり見てしまうその光景を、急に我に返った月岡は慌てて描きとめる。
時折、何か夢を見ているのか、小さく口を動かしている。口の端から垂れるヨダレに気づいて、笑みを零した。
青葦の寝顔をスケッチするようになったのは、何て事のない日常だった。
その日も月岡はクラスメートの行動をスケッチしていた。
押し相撲している男子達が強く押された側が背後にあった席に当たり、座っていた女子グループの反感を買う様子。
その近くでは何故か組体操のサボテンをしている男子二人組の姿。
上の男子が下の男子の膝に乗せていた足を不意に滑らせ、その弾みでもろとも倒れたりする様子。
それを見て密かに笑う女子。
それらを細やかにスケッチしていく。
よし、今日もたくさん描いた。
両手サイズのスケッチブックに描いたものを見て、一人満足気に頷く。
「青葦、マジ速すぎるんだけどっ!」
「俊足な俺に勝てるヤツいるか?」
ビクッと肩を震わす。
振り向くと、後ろの扉から肩を抱き合って大笑いしながら入っていく男子二人組の姿があった。
授業中、先生の話を聞く振りをしてよそ見する。
その目線の先には暖かい陽の光に照らされて眠る男子がいた。
陸上部の青葦獅王。
彼は今日も朝練をしてきたのだろう。その疲れからなのか、こうして授業中に寝ているところを度々見かける。
そして、それを度々スケッチする。
汗で濡れてしっとりとしている日焼けで茶色がかった黒髪。陽光を受けて淡い金粉のように舞う無数の塵の中、目を瞑る青葦の姿に目が離せなかった。
いつの間にか描く手が止まり見てしまうその光景を、急に我に返った月岡は慌てて描きとめる。
時折、何か夢を見ているのか、小さく口を動かしている。口の端から垂れるヨダレに気づいて、笑みを零した。
青葦の寝顔をスケッチするようになったのは、何て事のない日常だった。
その日も月岡はクラスメートの行動をスケッチしていた。
押し相撲している男子達が強く押された側が背後にあった席に当たり、座っていた女子グループの反感を買う様子。
その近くでは何故か組体操のサボテンをしている男子二人組の姿。
上の男子が下の男子の膝に乗せていた足を不意に滑らせ、その弾みでもろとも倒れたりする様子。
それを見て密かに笑う女子。
それらを細やかにスケッチしていく。
よし、今日もたくさん描いた。
両手サイズのスケッチブックに描いたものを見て、一人満足気に頷く。
「青葦、マジ速すぎるんだけどっ!」
「俊足な俺に勝てるヤツいるか?」
ビクッと肩を震わす。
振り向くと、後ろの扉から肩を抱き合って大笑いしながら入っていく男子二人組の姿があった。
