今年も残り7日

 時計を見る、周りには誰もいない。電気は付けっぱなしだ。肩が凝る。片付けて、戸締りを。静かである。一斉に暗くなり、セキュリティーが働いた。
 ぽつり、ぽつりと、跳ね返る。足元。

 駅まで歩くか、冷えるな。車の通りは少ない、ゆっくりと進む。
 徐々に視界が明るくなってきた。人も増えている。若いカップルたちが酔っているようで、はしゃいでいる。
 赤いスカートの方々、何やら一生懸命配っている。寒いのに、風邪ひかないように。

 駅前では、男女が嬉しそうに会話しているのが、目につく。邪魔にならないように、静かに改札を通る。音楽が鳴り響く。こんな時間なのにだ。
 ホームでも、若いカップルが腕を組んで居たり、手を繋いでいたりと、あちらこちらで目につく。キスをしているのも映り込む。



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 プ――。電車の音である、酔っているカップルは、危険なものである。特に問題は無さそうだ。
 扉が開き、乗り込む。いつもなら、この時間は座れるのであるが、今日は立っているしかなさそうだ。

 途中駅でさらに人が増えてくる。手にそれぞれ、何らかのものを持って。
 乗り換える駅につき、階段をゆっくりとあがると、ドタドタと複数人が、降りてきてぶつかりそうになる。なんとか電車には乗れたみたいだ。


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 改札を出ると、カラオケ店の前。カップル達が楽しそうに、電子タバコを吸いながら、騒いでいる、ロータリーでは赤や緑、黄色、水色なのか、沢山の光がここぞとばかり、輝いている
 次の改札を通り、エスカレーターに足を踏み入れる。後ろからドカドカと若いカップルが追い越していく。

 ホームに着くと丁度、電車が来たところである。普段は座れるのであるが、立っているしかない。
 静かなはずの車内は、今日は一変している。歌っている若者もいる。べったりと抱き合っている若者も。

 次々に人が下りたり、入ったり、なかなかホームのドアが閉まらない。慌ただしい。



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 最寄り駅につき、ゆっくりと階段をおりると、視界には若者たちで溢れかえっていた。改札を抜けると、赤いスカートが揺れながら、道行く人に声をかけていた。音楽がここでも鳴り響く。
 キラキラと輝く飾り物。自慢げに見せ合っているカップルは、気が付いたのか腕時計を指している。次が終電であることを。

 ぽつり、ぽつりであった雨は、少し強くなっている。傘もささずに、居酒屋の前で座り込むカップル、酔い覚ましであろうか。
 駅前のコンビニエンスにも、若いカップルが、暖かいものを買い求めていた。それを脇目に、路地裏を進む。傘を取り出し、歩く。

 信号待ちをしていると、賑やかな声が聞こえる。居酒屋から出て、手をとりあって駅に向かって急いで走っている。傘が無いのか、違うな、終電に間に合うかギリギリなのだ。


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 傘をたたみ、バックから鍵を取り出す。ふー。真っ暗である。冷蔵庫を開けて缶ビールを取り出し、キンキンに冷えた独特のさわやかな苦みが喉に染み渡る。ふぅ。一息ついてシャワーを浴び、着替え
 時計を見る、こんな時間なのか、寝よう。
 布団は暖かい、足先は冷たいが…



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 スマートフォンのバイブレーションが耳をうつ。もう、こんな時間なのか、瞬き位しか寝ていないように思えた。
 着替えを済ませ、鍵を閉め、会社に向かう。



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 今朝の電車は空いている。ゆっくりと座り、少し眠る。乗り換えた電車でも座れた。
 バスに乗り、会社につく。セキュリティーを解除し、中に入る。真っ暗である。明かりをつけ、パソコンの前に座る。
 しばらくすると、何人か、また、何人かが
 一息入れる。喫煙所で、電子タバコを取り出した。寒いな、相変わらずここは。暖房付けてくれると良いのにな。電子タバコでも肩身が狭い。

 今年も後6日か、パソコンの日付で確認した。あと何日後だったか納会である。

 スマートフォンのバイブレーションが動き出す。手をポケットに入れて取り出すと、LINEである。
「お疲れ様、遅かったのね、子供達喜んでいたわよ、煙突無いのに、来てくれたんだと、朝から大はしゃぎ・・・」

 子供の顔が目に浮かぶ。
 家に煙突等無い・・・。作るか、煙突。
 デザインを変えるか、仕事では1ミリの狂いも許さない設計をしているのに、特別な侵入経路だけは解決できない。
 そこまでするなら、建て直すか。まだ築浅。


 モニターに視線を向け、仕事を再開した。

 ありがとうな
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