あまつさえ、愛だとか。


「…集合がかかったとき。俺…“琉生が”、思っていた以上に那月の方を気にしてるな…とは思いました」



口から出たのは、あまりにも率直な感想。
でも…本当にそう思ったのだ。
あのとき、意識して那月を見てたわけじゃない。
台本にも、そんなト書は何もなかった。
…“俺だったら”、聞きたい、と思ったからだろうか。
恋してる相手の何か言いたげな顔を見て、その真意を聞こうとしたら仕方なくとも遮られて。
「まぁいいか」とは思わないだろう。
自分が関係しているのなら尚更のこと。
でも、相手がそれを拒む可能性だってあって…だけど気になってしまう。

このカメラ越しに見ると、自分でも思わぬように動いていることがわかって少し…いや、かなり驚いた。
きっと、先輩はこれを見せたかったんだろう。

…なんて、言われるんだろうな。
別に褒められたいわけじゃない。
褒められたくてやってるんなら、とっくのとうにやめている。
…ただ気になるのはひとつだけ。
役柄に私情を混ぜるのを、二階堂先輩はどう思っただろう…なんていう、些細なこと。
そんな些細なことでも、尊敬する人に、憧れの人に、否定されるのは…怖い。

つー…と背中を伝うひんやりとした汗。
無意識にも手に力がこもり、ごくりと喉が鳴る。
先輩の言葉を待ち、恐る恐る目を向けると。