「ぐがぁぁぁぁっ!!!」
「えっ?」
背筋が凍りついた。
先ほど私の真横で切り伏せられたはずの鬼が、地獄の底から這いずるような咆哮を上げ、再び飛び掛かってきたのだ。
死んだはずのものが、まだ動いている。
その事実だけで、頭の中が真っ白になった。
あまりの衝撃に足がもつれ、無様に倒れ込む。
殺されると思うよりも早く、先ほど鬼を倒したその人が、私を庇うように強く抱きしめ、その身を覆い被せてきた。
熱い。
血の匂いの中で、その腕の力だけが、ひどく確かなものに感じられた。
「っち……!!」
体勢を崩しながらも、彼は逆手に握り直した刀を一閃させる。
ゴトリ、と重苦しい音を立てて、鬼の首が地を転がった。
今度こそ、動かない。
「っ……!」
咽せ返るような死臭と、間近に迫っていた生々しい殺意。
吐き気を必死に堪えながら、私はきつく目を逸らした。
「隊長!!大丈夫ですか!!」
周りの人の悲鳴に近い問いかけに、恐る恐る、自分を庇っている男を見上げる。
その男の、強靭そうな肩から背中にかけて、肉を深く抉り取ったような大きな爪痕が刻まれていた。
布は裂け、滲んだ血が瞬く間に黒く広がっていく。
「あ、あの……ごめんなさい、私を庇って……。あの、すぐにお医者様に……あ、でも、町まで行かないと……っ」
「問題ない。すぐに、傷は塞が……ぐぁっ!!」
「きゃっ」
気丈に振る舞おうとした彼の体が、唐突に激しくのけぞった。
押し退けられるようにして、彼から引き離される。
突如として、焦熱の熱風が彼の全身から噴き上がり、それは次第に小さな狂風となって、周囲の土埃を巻き込み始めた。
「ぐっ、う……!!はな、れろ……っ!!」
「えっ?」
背筋が凍りついた。
先ほど私の真横で切り伏せられたはずの鬼が、地獄の底から這いずるような咆哮を上げ、再び飛び掛かってきたのだ。
死んだはずのものが、まだ動いている。
その事実だけで、頭の中が真っ白になった。
あまりの衝撃に足がもつれ、無様に倒れ込む。
殺されると思うよりも早く、先ほど鬼を倒したその人が、私を庇うように強く抱きしめ、その身を覆い被せてきた。
熱い。
血の匂いの中で、その腕の力だけが、ひどく確かなものに感じられた。
「っち……!!」
体勢を崩しながらも、彼は逆手に握り直した刀を一閃させる。
ゴトリ、と重苦しい音を立てて、鬼の首が地を転がった。
今度こそ、動かない。
「っ……!」
咽せ返るような死臭と、間近に迫っていた生々しい殺意。
吐き気を必死に堪えながら、私はきつく目を逸らした。
「隊長!!大丈夫ですか!!」
周りの人の悲鳴に近い問いかけに、恐る恐る、自分を庇っている男を見上げる。
その男の、強靭そうな肩から背中にかけて、肉を深く抉り取ったような大きな爪痕が刻まれていた。
布は裂け、滲んだ血が瞬く間に黒く広がっていく。
「あ、あの……ごめんなさい、私を庇って……。あの、すぐにお医者様に……あ、でも、町まで行かないと……っ」
「問題ない。すぐに、傷は塞が……ぐぁっ!!」
「きゃっ」
気丈に振る舞おうとした彼の体が、唐突に激しくのけぞった。
押し退けられるようにして、彼から引き離される。
突如として、焦熱の熱風が彼の全身から噴き上がり、それは次第に小さな狂風となって、周囲の土埃を巻き込み始めた。
「ぐっ、う……!!はな、れろ……っ!!」



