ドンドンドン!!!
激しく板戸を叩きつける音に、意識を強引に引き戻された。
眠りの底から、無理やり水面へ引き上げられるような感覚。
その尋常ならざる響きに、隣で眠っていた永太と琴が、浅い眠りの中で眉を寄せ、もぞもぞと身悶え始める。
外はまだ深い闇に包まれている。
夜明けには遠い。障子の向こうは墨を流したように暗く、家の中の冷えだけが、妙にはっきりしていた。
怯える二人をなだめるように、胸元をトントンと優しく叩いてやると、やがて安らかな寝息が戻ってくる。
ほっと息を吐くと、再び静寂を切り裂くように、ドンドンドン!と戸を叩く音。
今度は聞き間違いではない。
私は急いで羽織を掴み、動悸を抑えながら表の戸を繰り開けた。
そこに立っていたのは、昼間に金平糖をくれた新八さんだった。
しかし、その表情は、日中の穏やかさとは似ても似つかない。
「起きてくれた!よかった、無事だったか!!」
「新八さん……?どうしたの、こんな夜更けに——」
私の問いを遮るように、強い力で肩を掴んできた。
指が食い込むほどの力に、息が詰まる。
その剣幕に、何か取り返しのつかない事態が起きているのだと、直感的に悟った。
「鬼だ!隣の集落が襲われた!!すぐに町の方へ逃げるんだ!!」
「え……?鬼?……鬼って、あの……?」
「詳しく話している暇はない!僕は他の家も回ってくる!急げ、早く!!」
叫ぶような声を残し、新八さんは闇の向こうへと走り去っていく。
足音はあっという間に遠ざかり、夜の底へ吸い込まれていった。
激しく板戸を叩きつける音に、意識を強引に引き戻された。
眠りの底から、無理やり水面へ引き上げられるような感覚。
その尋常ならざる響きに、隣で眠っていた永太と琴が、浅い眠りの中で眉を寄せ、もぞもぞと身悶え始める。
外はまだ深い闇に包まれている。
夜明けには遠い。障子の向こうは墨を流したように暗く、家の中の冷えだけが、妙にはっきりしていた。
怯える二人をなだめるように、胸元をトントンと優しく叩いてやると、やがて安らかな寝息が戻ってくる。
ほっと息を吐くと、再び静寂を切り裂くように、ドンドンドン!と戸を叩く音。
今度は聞き間違いではない。
私は急いで羽織を掴み、動悸を抑えながら表の戸を繰り開けた。
そこに立っていたのは、昼間に金平糖をくれた新八さんだった。
しかし、その表情は、日中の穏やかさとは似ても似つかない。
「起きてくれた!よかった、無事だったか!!」
「新八さん……?どうしたの、こんな夜更けに——」
私の問いを遮るように、強い力で肩を掴んできた。
指が食い込むほどの力に、息が詰まる。
その剣幕に、何か取り返しのつかない事態が起きているのだと、直感的に悟った。
「鬼だ!隣の集落が襲われた!!すぐに町の方へ逃げるんだ!!」
「え……?鬼?……鬼って、あの……?」
「詳しく話している暇はない!僕は他の家も回ってくる!急げ、早く!!」
叫ぶような声を残し、新八さんは闇の向こうへと走り去っていく。
足音はあっという間に遠ざかり、夜の底へ吸い込まれていった。



