鬼狩りの番~置き去りにされた娘は、半人半鬼に血を捧げる~

『姉上!!姉上!!!』

……この記憶は、誰のものなのだろう。

『朔夜。忘れなさい。決して、復讐などと考えるな』

幼い少年の、張り裂けんばかりの哀切が、私の内側へ直接流れ込んでくる。
目の前で、掛け替えのない存在を失った。
守りたかった。
けれど、守れなかった。

『どうして……。どうして、忘れられるものか……。姉上……っ!』

抱きしめてあげたいのに、腕が虚空を掻くだけで届かない。
どれほど必死に指先を伸ばしても、その幻影に触れることさえ叶わない。
ただ、幼い少年の胸を焼き尽くすような後悔だけが、私の体の奥へ流れ込んでくる。

『絶対に、許さない。俺が、すべてこの手で殺してやる……!』

その声に宿る憎しみが、あまりにも痛かった。
誰かを憎むというより、何もできなかった自分自身を、血が滲むほど責め続けているようで。