鬼狩りの番~置き去りにされた娘は、半人半鬼に血を捧げる~

刀を振るう、その背を初めて目に焼き付けた時。
なんて美しい舞なのだろうと、息をすることさえ忘れて見惚れていた。

月光が冷たく透ける刃が、夜の闇に一筋の光線を引く。
白刃は、月光をすくい上げるように、無駄なく、迷いなく弧を描いた。
その太刀筋が空を斬ったと思った、次の瞬間。
私の視界はどろりとした鮮血に塗り潰され、辺りは一瞬にして、咽せ返るような生臭い匂いに支配された。

返り血を浴びながらも、月明かりを澄んだ鏡のように反射させる日本刀。
蒼い月を背負い、異形の鬼を瞬時に切り刻んだその横顔。
肩越しに覗いた眼差しは、あまりに静かで、かえって恐ろしいほどだった。
頬に飛び散った熱い飛沫を拭うことすらできず、私はただ、茫然とその背中を見つめ続けていた。