"みなも"みたいな恋だった

帰り道、私達はゆっくり階段をおりる。

廊下で後輩たちが部室にもどる姿が見えた。
下駄箱に行くまでに部室である音楽室の前は確実に通らないといけなかった。

私たちは後輩が全員部室に入ったことを確認してから、窓に姿が映らないように、かがみながら音楽室の前を通り過ぎた。

その光景がなんだか面白くて。
靴を履き終わると、

「なんか悪いことしてるみたい。」

とお互いに笑い合う。

すると、まだ楽器を運んでいた後輩の声が聞こえた。
私たちは咄嗟に近くの柱に隠れた。

「まだ居た…。」

私は声を潜めて話す。


「行くぞ!」


そう言って涼介は私の手を握り、外に連れ出した。


「バレるよ!」
「いいじゃん!」
 

外は少し寒くて。
でも涼介の手は温かくて。
駆け出したそらは夕焼け雲の隙間から光がさしていた。