"みなも"みたいな恋だった

少し経ったあと、私も自分の席へ戻る。

正直その後のみんなとの会話は上の空だった。

まさか自分だとは思ってなかったから心構えができてなかった。
そして自分の行いを見ててくれたこと。それも予想外で。

コンクール以降、自分の行動に自信が持てなくなっていた。だからこそ彼が言ってくれた言葉が頭の中でこだまする。

色々頭の中で整理をしていたら、いつの間にか時間が経っていた。

解散ということでお店を出たあと、少し広いし広間に集まって部長からの挨拶を聞く。

「色々なことがあったけれど、最後に銀賞が取れてよかったです。それではお手を拝借!」

そういって「よー……パン!」と皆手を鳴らす。

終わってからそのまますぐ帰る人、カラオケに向かう人。その場で話している人皆それぞれ動き出した。

私は帰ろうとした。
ただその前に一言言いたかったので涼介のところに行った。




「ありがとう!」




周りの目もあるのでそれしか言えなかったけど、それだけでも伝えたかった。

その日はなんだか夜風がとても気持ちよく感じた。