"みなも"みたいな恋だった

「あ。涼介。どう?盛り上がってる?」

私が聞くと涼介は、
「それなりにね。」と答える。

「ところでいつ教えてくれるの??前言ってたこと。後輩ちゃん今日で最後だよ〜。」

私はニヤニヤしながら涼介に聞く。
外には私たち以外誰もいなかった。

「なんでそんなに知りたいの?」
涼介は聞いてきた。

「え〜どんなタイプの子がいいのかなと気になって?」

後輩ちゃんはどの子も良い子だけど性格はバラバラだった。大人しい子、スキンシップが多めな子。
どんな子がタイプなんだろうか。興味があった。

私は楽しげに答えた。

涼介は少しの間、口篭る。
そして体勢を整え私の方を見る。
 

 
「……好きな人は奏音だよ。」


 
時が止まった感覚がした。
予想外な言葉に私は何も言えなかった。


「え、なんで…。」

 
つい聞いてしまった。
部活では他の人の目も会ってなかなか話すことができなかった。だから理由がわからなかった。

 
涼介は私の目を見て答える。

  
「人のために駆け回ってる姿を見てきたから。そんな一生懸命な所が好きになったきっかけだよ。」


私は泣きそうな気持ちをぐっとこらえた。

 
……私の姿を見ててくれた人がいた。

 
それが何よりも嬉しかった。

救われた気がした。
 
心の中で引っかかっていたものが解けた気がした。 


  
私のやってきたことは間違ってなかった。



暗闇だった奈落にひとつの光がさしたようだった。

 
「手伝いたかったけど、見てることしか出来なかった。」
涼介は申し訳ないように言うけど、
私は見てくれていることを知れただけでも十分だった。


「急に告白されても、そんな気で話したことがないことも知ってるし、わからないと思うから、答えは卒業までに教えて。」

涼介はそう言うと、お互いに連絡先を交換しようと言い、交換したあと、先にお店に戻っていった。