春、煙のむこうで

 二年目の春。
 同じ場所で、また煙が立った。

 遥は少し大人びて見えた。髪をまとめ、焼き場の手伝いをしている。
 梢が笑いながら言う。
「ねえ、今度は四人でどこか遊びにいかない?行こうよ」

 直樹が「それ賛成、俺車だすよ」と返し、僕も頷いた。

 その横で、遥が箸を動かしながら微笑む。
「いいですね。私地元じゃないから、もっと色んなところ、見てみたいです」

 その声音が落ち着いていて、僕は少し言葉を探した。

 ――もう、子どもではないのかもしれない。

 火の粉が弾け、煙がゆらぐ。
 その向こうで、彼女の横顔が滲んでいた。

 帰り際、夜桜の下で彼女が言った。
「来年も来れたらいいですね」
「そうだね、また同じ頃に」

 その『また』という言葉が、胸の奥に残った。