みんなと別れて、一人になった帰り道。まだ明るい夕方の空は少しだけ寂しくて、さっきまでの賑やかさが、まだ心の奥にふわふわと残る。
ポケットからスマホを取り出して、朝確認していたメッセージを開いた。
〈中学の友達とBBQしてたよ〉
そう打ち込んで送信すると、既読がついて、すぐに画面が切り替わる。
アプリを落とす暇もないくらいの速度に目を丸くしていると、切り替わった画面に合わせてスマホが規則的に震え始めた。
ーー電話なんて、急に。
初めてのことに鼓動が急に早くなって、指先から力が抜ける。それでも、心のどこかで高鳴る気持ちには嘘をつけない。ドキドキしながら受電ボタンを押して、私はそれを耳に当てた。
聞こえてきたのは、ざわざわした雑音と、遠くで重なる男の子たちの笑い声だった。
「……もしもし」
小さく声を出してみるけど返事はない。耳から離し、通話が続いていることを確認してから、もう一度スマホを傾ける。
《……BBQもう終わったー?》
少し遅れて聞こえてきたのは、いつも教室で聞くのと同じ、明るい声だった。
ドクンと胸が高鳴るけれど、その向こう側にたくさんの気配が聞こえてきて、その気持ちを押さえ込んでいく。
ーーたくさんの人がいる。
私にとっては、二人だけのやりとりのようで、ドキドキしていた放課後のメッセージは、彼にとってはきっとそうじゃなかった。
そう考えたら少し残念で、私は無意識に、声を落としていた。
「終わったよ。すっごく楽しかった」
彼からの返事は、少し時間があって、不安になる。
《そっか、俺らはみんなで喋ってて》
《なんか学校休みだし、寂しいな〜って言ってて》
軽い調子が続き、また小さな沈黙が訪れた。特に内容のない電話だと言うことに気づき、胸の中に複雑な気持ちが積もっていく。
ーーもし今、彼の後ろに誰もいなかったら。
いつもは遠くで聞いているはずの明るい彼の声と、メッセージみたいに自然に話すことができていたのかな。
そんなことを想像して、私は下ろしていた左手をぎゅっと握りしめた。
「友達といるんでしょ?寂しいことないじゃん」
小さく笑いながら、でも少しだけ棘があるような言い方になってしまう。
だけど、背後から聞こえてくる賑やかな声が、どうしても気になって仕方がなかった。
「ごめん。もう家につくから」
少しだけ早口になって、私はそのチャンスを自ら終わりに近づける。
「あー……急にごめんな、またな」
どこか、いつもの元気がないようにも聞こえた声で、その通話はあっけなく途切れてしまった。
ポケットからスマホを取り出して、朝確認していたメッセージを開いた。
〈中学の友達とBBQしてたよ〉
そう打ち込んで送信すると、既読がついて、すぐに画面が切り替わる。
アプリを落とす暇もないくらいの速度に目を丸くしていると、切り替わった画面に合わせてスマホが規則的に震え始めた。
ーー電話なんて、急に。
初めてのことに鼓動が急に早くなって、指先から力が抜ける。それでも、心のどこかで高鳴る気持ちには嘘をつけない。ドキドキしながら受電ボタンを押して、私はそれを耳に当てた。
聞こえてきたのは、ざわざわした雑音と、遠くで重なる男の子たちの笑い声だった。
「……もしもし」
小さく声を出してみるけど返事はない。耳から離し、通話が続いていることを確認してから、もう一度スマホを傾ける。
《……BBQもう終わったー?》
少し遅れて聞こえてきたのは、いつも教室で聞くのと同じ、明るい声だった。
ドクンと胸が高鳴るけれど、その向こう側にたくさんの気配が聞こえてきて、その気持ちを押さえ込んでいく。
ーーたくさんの人がいる。
私にとっては、二人だけのやりとりのようで、ドキドキしていた放課後のメッセージは、彼にとってはきっとそうじゃなかった。
そう考えたら少し残念で、私は無意識に、声を落としていた。
「終わったよ。すっごく楽しかった」
彼からの返事は、少し時間があって、不安になる。
《そっか、俺らはみんなで喋ってて》
《なんか学校休みだし、寂しいな〜って言ってて》
軽い調子が続き、また小さな沈黙が訪れた。特に内容のない電話だと言うことに気づき、胸の中に複雑な気持ちが積もっていく。
ーーもし今、彼の後ろに誰もいなかったら。
いつもは遠くで聞いているはずの明るい彼の声と、メッセージみたいに自然に話すことができていたのかな。
そんなことを想像して、私は下ろしていた左手をぎゅっと握りしめた。
「友達といるんでしょ?寂しいことないじゃん」
小さく笑いながら、でも少しだけ棘があるような言い方になってしまう。
だけど、背後から聞こえてくる賑やかな声が、どうしても気になって仕方がなかった。
「ごめん。もう家につくから」
少しだけ早口になって、私はそのチャンスを自ら終わりに近づける。
「あー……急にごめんな、またな」
どこか、いつもの元気がないようにも聞こえた声で、その通話はあっけなく途切れてしまった。



