「藤代は、死んでいません」
榊の声が、渡り廊下に落ちた。
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
死んでいない。
その言葉だけが、頭の中で遅れて反響する。
じゃあ、俺の目の前にいる朔は何なのか。
五年前からここで止まっている、この人は何なのか。
朔は、外階段の前で動かなかった。
薄い暗がりの中で、ただ榊を見ている。
「……死んでない?」
朔の声は、かすれていた。
その声を聞いた瞬間、胸が痛くなった。
俺たちより、朔の方が分からないのだ。
誰よりも、自分のことなのに。
「榊」
俺が声を出すと、榊はスマホの画面を見たまま眉を寄せた。
「続きが来てる」
「何て」
真田先輩の声が、少し低い。
榊は、画面を読み上げた。
「電話できますか。文字では説明しきれません」
電話。
その言葉だけで、急に現実の重さが戻ってきた。
五年前の誰かが、今も生きている。
今もスマホの向こうにいて、俺たちに返事をしている。
それが不思議で、怖かった。
朔は、何も言わない。
ただ、俺の方を見ていた。
その目が、頼るようにも、怯えているようにも見えた。
「出るぞ」
榊が言った。
「ここで?」
真田先輩が訊く。
「今しかない」
榊は、画面をタップした。
呼び出し音が鳴る。
一回。
二回。
その間、誰も喋らなかった。
外階段の黄色いロープが、風に揺れている。
途中だけ新しくなった板が、朝の光の中で妙に白く見えた。
つながった。
『……もしもし』
聞こえてきたのは、大人の男の声だった。
低くて、少し掠れている。
けれど、どこか緊張しているのが分かった。
榊が名乗る。
「青嶺学園の榊です。突然すみません」
『いえ。こちらこそ、変な返し方をしてすみません』
少し沈黙があった。
『藤代の名前を、まだ学校で見つける人がいるとは思いませんでした』
その一言で、朔の肩が小さく揺れた。
聞こえているのか。
聞こえてしまっているのか。
分からない。
でも、朔は確かにその声に反応した。
榊は短く訊く。
「藤代朔を知っているんですね」
『知っています』
男は、すぐに答えた。
『同じ寮でした』
「三〇七の人ですか」
榊が言うと、電話の向こうで息を呑む気配がした。
『……そこまで調べたんですね』
「必要だったので」
『そうですか』
男の声が、少し遠くなった。
『俺は三〇七でした。藤代は三〇四です』
やっぱり、と俺は思った。
朔は三〇七の人じゃない。
それでも、ずっと三〇七に入りたかった。
五年前から。
俺が、名札を掛けるまで。
喉の奥が苦しくなる。
「藤代とは、どういう関係だったんですか」
真田先輩が、静かに訊いた。
榊が少しだけ横目で見る。
でも、止めなかった。
電話の向こうは、長く黙った。
『……好きでした』
胸が、きしむように痛んだ。
分かっていた。
聞いていた。
それでも、本人の口から出ると、違った。
『たぶん、向こうも』
男の声が低くなる。
『でも、ちゃんと言ったことはありませんでした』
朔は、瞬きもしなかった。
まるで、その言葉だけで五年前の廊下に戻されたみたいに、外階段の方を見ている。
『あの頃は、今よりずっと言えなかった。寮の中で噂になって、先生に目をつけられるのも怖かった。だから、俺たちはいつも曖昧にしていた』
「消灯後に会う約束をしたんですか」
榊が訊く。
電話の向こうで、沈黙が落ちた。
『……しました』
その一言で、空気が冷えた。
『三階の外階段のところで。夜、少しだけ話そうって』
朔が、小さく息を吸った。
俺は思わず朔を見た。
朔の唇が、かすかに震えている。
「来なかったわけじゃない、ってどういう意味ですか」
俺は、気づけば訊いていた
榊も真田先輩も、俺を止めなかった。
電話の向こうの男が、少しだけ息を詰める。
『……君は?』
「柏木透です」
自分でも驚くほど、はっきり名乗っていた。
「今、朔が見えています」
電話の向こうが、完全に沈黙した。
言ってはいけないことを言ったのかもしれない。
でも、もう引っ込めたくなかった。
「朔は、あなたが来なかったと思っています」
朔がこちらを見る。
その目が、ひどく傷ついていて、でも逸らせなかった。
「本当は、どうだったんですか」
電話の向こうで、男が長く息を吐いた。
『行きました』
朔の表情が止まった。
『俺は、行ったんです。でも、遅れた』
「遅れた?」
『先生に見つかったんです。消灯後に部屋を出ようとして。理由を聞かれて、適当にごまかしたけど、寮監室に連れていかれた』
小野寺さんの顔が、頭をよぎった。
『それで、外階段の方が騒がしくなった。誰かが落ちたって聞こえた。救急車が来て、それで』
声が詰まる。
『藤代だと分かった』
朔は、動かなかった。
ただ、聞いていた。
『俺は、行かなかったわけじゃない。でも、間に合わなかった』
男の声が震えていた。
『それで、怖くなった』
風が渡り廊下を抜ける。
『自分が呼び出したせいだと思った。俺が約束なんかしなければ、藤代はあそこに行かなかった。先生にも、親にも、何も言えなかった』
「学校は」
榊の声が低くなる。
「学校は、何て処理したんですか」
『表向きは、夜間に誤って転落した、と。だけど記事にはならなかった。寮内の噂もすぐに止められた。藤代は転校したことになった』
「転校?」
『意識が戻らないまま、病院を移ったんです。家族が学校から離したがった。俺たちには、もう関わるなと言われた』
死んでいない。
けれど、戻ってきていない。
その意味が、少しずつ身体の中に入ってくる。
『藤代は、今も生きています』
男は、静かに言った。
『少なくとも、数年前までは。療養施設にいると聞きました。俺は……会いに行けませんでした』
朔が、小さく笑った。
笑ったように見えた。
でも、それは泣き顔に近かった。
「……来てたんだ」
朔が、ほとんど息みたいな声で言った。
「来なかったんじゃ、なかったんだ」
胸が痛かった。
五年前、朔は外階段で待っていた。
来てくれると思っていた。
でも、相手は来なかったんじゃない。
来ようとして、間に合わなかった。
それだけで何もかも救われるわけじゃない。
事故は起きた。
朔は五年止まった。
相手は黙った。
学校は消した。
それでも、朔がずっと抱えていた「来なかった」という傷だけは、少しだけ形を変えた。
俺は朔を見た。
「朔」
榊が何か言いかけたけれど、止めた。
俺は続ける。
「聞こえましたか」
朔はゆっくり頷いた。
「……うん」
返事をしてくれた。
その声は、いつもよりずっと幼く聞こえた。
電話の向こうで、男が震えるように息を吸った。
『そこに、いるんですか』
誰もすぐには答えられなかった。
俺はスマホを持つ榊を見た。
榊は少しだけ黙って、それから言った。
「少なくとも、柏木には見えています」
『……そうですか』
長い沈黙。
『藤代は、怒っていますか』
その問いに、朔は何も言わなかった。
俺は代わりに答えることができなかった。
怒っているのか、悲しいのか、置いていかれたままなのか。
たぶん、その全部だった。
男は小さく言った。
『謝って済むことじゃないのは分かっています』
その声は、もう大人のものではなかった。
五年前の夜に戻ったみたいな、弱い声だった。
『……でも、謝りたかった』
朔は、外階段を見たまま動かない。
俺はその横顔を見ていた。
朔の輪郭が、さっきより少しだけ薄く見える。
けれど、消えそうなのではなかった。
何かが、ほどけかけている。
そう見えた。
「療養施設の名前は分かりますか」
榊が訊いた。
『今、調べます。昔の連絡先が残っているかもしれません』
「お願いします」
『それと』
男は、少し迷ってから言った。
『もし本当に藤代がそこにいるなら、伝えてください』
誰も動かなかった。
『俺は、来なかったわけじゃない。でも、助けられなかった』
声が震える。
『ごめん、と』
朔は、目を閉じた。
その頬に、涙はなかった。
けれど俺には、泣いているように見えた。
通話が切れたあと、しばらく誰も喋らなかった。
外階段の前に、朝の光が差している。
五年前の夜と、今の朝が、同じ場所に重なっているみたいだった。
朔は、ゆっくり俺を見た。
「透」
「はい」
返事をしてから、榊を見る。
怒られるかと思った。
でも榊は何も言わなかった。
たぶん、今の返事は、必要なものだった。
朔は、かすかに笑った。
「俺、生きてるんだって」
その笑顔が、あまりにも頼りなくて。
俺は、胸が詰まった。
「はい」
「変だね」
「……はい」
「じゃあ、ここにいる俺は、何なんだろう」
答えられなかった。
朔も、答えを求めているようには見えなかった。
ただ、途方に暮れている。
五年前に置いていかれたままの少年が、急に、自分の身体がどこかで生きていると知らされてしまった。
そんな顔だった。
俺は手を伸ばしかけて、止める。
約束した。
手は取らない。
でも、何もできないのは嫌だった。
「会いに行きましょう」
言った瞬間、朔が目を見開いた。
「誰に?」
「朔に」
自分でも不思議な言い方だった。
でも、それ以外に言えなかった。
「ここにいる朔と、今も生きている朔が、別々になったままなら」
言葉を探す。
「俺が会いに行きます。本当の、朔に」
朔は、何も言わなかった。
ただ、外階段の方を見た。
そこにはもう、五年前の夜だけではなかった。
どこかへ続く道が、うっすら見えた気がした。
榊の声が、渡り廊下に落ちた。
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
死んでいない。
その言葉だけが、頭の中で遅れて反響する。
じゃあ、俺の目の前にいる朔は何なのか。
五年前からここで止まっている、この人は何なのか。
朔は、外階段の前で動かなかった。
薄い暗がりの中で、ただ榊を見ている。
「……死んでない?」
朔の声は、かすれていた。
その声を聞いた瞬間、胸が痛くなった。
俺たちより、朔の方が分からないのだ。
誰よりも、自分のことなのに。
「榊」
俺が声を出すと、榊はスマホの画面を見たまま眉を寄せた。
「続きが来てる」
「何て」
真田先輩の声が、少し低い。
榊は、画面を読み上げた。
「電話できますか。文字では説明しきれません」
電話。
その言葉だけで、急に現実の重さが戻ってきた。
五年前の誰かが、今も生きている。
今もスマホの向こうにいて、俺たちに返事をしている。
それが不思議で、怖かった。
朔は、何も言わない。
ただ、俺の方を見ていた。
その目が、頼るようにも、怯えているようにも見えた。
「出るぞ」
榊が言った。
「ここで?」
真田先輩が訊く。
「今しかない」
榊は、画面をタップした。
呼び出し音が鳴る。
一回。
二回。
その間、誰も喋らなかった。
外階段の黄色いロープが、風に揺れている。
途中だけ新しくなった板が、朝の光の中で妙に白く見えた。
つながった。
『……もしもし』
聞こえてきたのは、大人の男の声だった。
低くて、少し掠れている。
けれど、どこか緊張しているのが分かった。
榊が名乗る。
「青嶺学園の榊です。突然すみません」
『いえ。こちらこそ、変な返し方をしてすみません』
少し沈黙があった。
『藤代の名前を、まだ学校で見つける人がいるとは思いませんでした』
その一言で、朔の肩が小さく揺れた。
聞こえているのか。
聞こえてしまっているのか。
分からない。
でも、朔は確かにその声に反応した。
榊は短く訊く。
「藤代朔を知っているんですね」
『知っています』
男は、すぐに答えた。
『同じ寮でした』
「三〇七の人ですか」
榊が言うと、電話の向こうで息を呑む気配がした。
『……そこまで調べたんですね』
「必要だったので」
『そうですか』
男の声が、少し遠くなった。
『俺は三〇七でした。藤代は三〇四です』
やっぱり、と俺は思った。
朔は三〇七の人じゃない。
それでも、ずっと三〇七に入りたかった。
五年前から。
俺が、名札を掛けるまで。
喉の奥が苦しくなる。
「藤代とは、どういう関係だったんですか」
真田先輩が、静かに訊いた。
榊が少しだけ横目で見る。
でも、止めなかった。
電話の向こうは、長く黙った。
『……好きでした』
胸が、きしむように痛んだ。
分かっていた。
聞いていた。
それでも、本人の口から出ると、違った。
『たぶん、向こうも』
男の声が低くなる。
『でも、ちゃんと言ったことはありませんでした』
朔は、瞬きもしなかった。
まるで、その言葉だけで五年前の廊下に戻されたみたいに、外階段の方を見ている。
『あの頃は、今よりずっと言えなかった。寮の中で噂になって、先生に目をつけられるのも怖かった。だから、俺たちはいつも曖昧にしていた』
「消灯後に会う約束をしたんですか」
榊が訊く。
電話の向こうで、沈黙が落ちた。
『……しました』
その一言で、空気が冷えた。
『三階の外階段のところで。夜、少しだけ話そうって』
朔が、小さく息を吸った。
俺は思わず朔を見た。
朔の唇が、かすかに震えている。
「来なかったわけじゃない、ってどういう意味ですか」
俺は、気づけば訊いていた
榊も真田先輩も、俺を止めなかった。
電話の向こうの男が、少しだけ息を詰める。
『……君は?』
「柏木透です」
自分でも驚くほど、はっきり名乗っていた。
「今、朔が見えています」
電話の向こうが、完全に沈黙した。
言ってはいけないことを言ったのかもしれない。
でも、もう引っ込めたくなかった。
「朔は、あなたが来なかったと思っています」
朔がこちらを見る。
その目が、ひどく傷ついていて、でも逸らせなかった。
「本当は、どうだったんですか」
電話の向こうで、男が長く息を吐いた。
『行きました』
朔の表情が止まった。
『俺は、行ったんです。でも、遅れた』
「遅れた?」
『先生に見つかったんです。消灯後に部屋を出ようとして。理由を聞かれて、適当にごまかしたけど、寮監室に連れていかれた』
小野寺さんの顔が、頭をよぎった。
『それで、外階段の方が騒がしくなった。誰かが落ちたって聞こえた。救急車が来て、それで』
声が詰まる。
『藤代だと分かった』
朔は、動かなかった。
ただ、聞いていた。
『俺は、行かなかったわけじゃない。でも、間に合わなかった』
男の声が震えていた。
『それで、怖くなった』
風が渡り廊下を抜ける。
『自分が呼び出したせいだと思った。俺が約束なんかしなければ、藤代はあそこに行かなかった。先生にも、親にも、何も言えなかった』
「学校は」
榊の声が低くなる。
「学校は、何て処理したんですか」
『表向きは、夜間に誤って転落した、と。だけど記事にはならなかった。寮内の噂もすぐに止められた。藤代は転校したことになった』
「転校?」
『意識が戻らないまま、病院を移ったんです。家族が学校から離したがった。俺たちには、もう関わるなと言われた』
死んでいない。
けれど、戻ってきていない。
その意味が、少しずつ身体の中に入ってくる。
『藤代は、今も生きています』
男は、静かに言った。
『少なくとも、数年前までは。療養施設にいると聞きました。俺は……会いに行けませんでした』
朔が、小さく笑った。
笑ったように見えた。
でも、それは泣き顔に近かった。
「……来てたんだ」
朔が、ほとんど息みたいな声で言った。
「来なかったんじゃ、なかったんだ」
胸が痛かった。
五年前、朔は外階段で待っていた。
来てくれると思っていた。
でも、相手は来なかったんじゃない。
来ようとして、間に合わなかった。
それだけで何もかも救われるわけじゃない。
事故は起きた。
朔は五年止まった。
相手は黙った。
学校は消した。
それでも、朔がずっと抱えていた「来なかった」という傷だけは、少しだけ形を変えた。
俺は朔を見た。
「朔」
榊が何か言いかけたけれど、止めた。
俺は続ける。
「聞こえましたか」
朔はゆっくり頷いた。
「……うん」
返事をしてくれた。
その声は、いつもよりずっと幼く聞こえた。
電話の向こうで、男が震えるように息を吸った。
『そこに、いるんですか』
誰もすぐには答えられなかった。
俺はスマホを持つ榊を見た。
榊は少しだけ黙って、それから言った。
「少なくとも、柏木には見えています」
『……そうですか』
長い沈黙。
『藤代は、怒っていますか』
その問いに、朔は何も言わなかった。
俺は代わりに答えることができなかった。
怒っているのか、悲しいのか、置いていかれたままなのか。
たぶん、その全部だった。
男は小さく言った。
『謝って済むことじゃないのは分かっています』
その声は、もう大人のものではなかった。
五年前の夜に戻ったみたいな、弱い声だった。
『……でも、謝りたかった』
朔は、外階段を見たまま動かない。
俺はその横顔を見ていた。
朔の輪郭が、さっきより少しだけ薄く見える。
けれど、消えそうなのではなかった。
何かが、ほどけかけている。
そう見えた。
「療養施設の名前は分かりますか」
榊が訊いた。
『今、調べます。昔の連絡先が残っているかもしれません』
「お願いします」
『それと』
男は、少し迷ってから言った。
『もし本当に藤代がそこにいるなら、伝えてください』
誰も動かなかった。
『俺は、来なかったわけじゃない。でも、助けられなかった』
声が震える。
『ごめん、と』
朔は、目を閉じた。
その頬に、涙はなかった。
けれど俺には、泣いているように見えた。
通話が切れたあと、しばらく誰も喋らなかった。
外階段の前に、朝の光が差している。
五年前の夜と、今の朝が、同じ場所に重なっているみたいだった。
朔は、ゆっくり俺を見た。
「透」
「はい」
返事をしてから、榊を見る。
怒られるかと思った。
でも榊は何も言わなかった。
たぶん、今の返事は、必要なものだった。
朔は、かすかに笑った。
「俺、生きてるんだって」
その笑顔が、あまりにも頼りなくて。
俺は、胸が詰まった。
「はい」
「変だね」
「……はい」
「じゃあ、ここにいる俺は、何なんだろう」
答えられなかった。
朔も、答えを求めているようには見えなかった。
ただ、途方に暮れている。
五年前に置いていかれたままの少年が、急に、自分の身体がどこかで生きていると知らされてしまった。
そんな顔だった。
俺は手を伸ばしかけて、止める。
約束した。
手は取らない。
でも、何もできないのは嫌だった。
「会いに行きましょう」
言った瞬間、朔が目を見開いた。
「誰に?」
「朔に」
自分でも不思議な言い方だった。
でも、それ以外に言えなかった。
「ここにいる朔と、今も生きている朔が、別々になったままなら」
言葉を探す。
「俺が会いに行きます。本当の、朔に」
朔は、何も言わなかった。
ただ、外階段の方を見た。
そこにはもう、五年前の夜だけではなかった。
どこかへ続く道が、うっすら見えた気がした。
