探偵研究部。――カケラノセカイ―― ① うわさの新入生を追え!

工具を器用に動かす彼の横顔に、少女は声をかけた。

「あなたは王子様なの?」

問いかけると、彼はちょっと目を見開いた。

「どうして、そう思うの?」

と聞き返されるから、

「この間……来た時。
 大人の人が私の手を掴もうとした時、あなたは『やめて』って言ってくれた。そうしたら、その人は手を離してくれて、親切に家に返してくれた。
 ……あなたの言うことは、みんなが聞く。
 ……だから、王子様だと思った。
 ……ねずみの王国の」

「ねずみの王国……」

 その言葉に、彼はちょっと笑って、

「そうかもね」

 とだけ答えた。