『Re:桜が散る前に』
4月5日、昼の13時から空いてるよ。
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春になったら、ずっと行こうって言い合ってたから、桜が咲く季節に花見に誘った。
ずっと気になってた人を。
昼から雨だ、最悪。
天気予報は晴れだったのに。
予報は外れた、天気予報が私の期待を裏切ったのだ。
雨女の私が悪いのかな。
こうさ?雨女って、みんな大事な日に雨が降るのかな?
不思議で仕方がない。
そんなはずないよね。
はあ~。
今日はお花見する予定だったのに。
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『ReRe:桜が散る前に』
今日、どうする?
昼から雨だって。
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マナーモードのスマホが連続して振動を告げる。
画面には黒田郁也からの着信。
「もしもし、咲愛?」
私の名前は、宮野咲愛。
「郁也くん、どうする?」
桜が散っても散らなくてもホントは会いたい。
「桜は、また来年もあるし……なんて言ったら、咲愛泣くだろ」
そう言いながら君は笑って語り掛ける。
私のことよくわかったふりをする。
こんなこと言ってくるくせに付き合ってないんだよ?
知ってるくせに、私が好きだって。
付き合わない選択、付き合う選択、いつどこにそんな選択があったんだろうって。
ほんとはね、雨じゃなかったらちゃんと付き合ってって言おうかと思ってた。
だけどお昼に会う約束立ててお昼から雨ってそんな残酷なことある?
「……咲愛?……なに、泣いてんの」
「だって、郁也くんと花見したかった」
なんにも始まらなかった気がして、切ない気持ち。
「そんなことで泣くなって」
花見がしたいんじゃない。
ただ会いたいだけ。
それだけでは会えないから、花見を口実に予定を立てた。
「……会いたい」
言ってみただけ。
「いいよ行くよ、雨降らんかもしれんしさ、予定通り駅で待ち合わせで」
「……外に出れるような顔してない……っ」
「花見がしたいのか、会いたいだけなのか」
「……」
「今から行くわ、なんも準備とかせんでいいから」
「……うん」
会いたいって言ったら来てくれるんだ。
びっくりしすぎて涙止まった。
理由がないと会えないんだと思ってた。
郁也くんは、30分かからないくらいでインターホンを鳴らして来た。
鍵を開けて扉を開ける。
息切れしてる郁也くんは、急いできたのが私のもよくわかる。
「咲愛」
郁也くんの表情は余裕があるようには見えず、心配していることがわかる。
「…………郁也くんに伝えたいことがあるんだけどね、花見に行けなかったから伝えられないなって思った」
「どんな事?」
「ねえ郁也くん、あめ、降ってきてた?」
「そんなすぐ降らないよ」
「そっか、…………私、郁也くんに伝えたかった事言えること今言うね」
「何でも聞く」
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郁也くんとは大学の同級生だった。
今はお互い社会人一年目。
当時、なんとも思ってなかった。
何なら当時好きな人がいた。
それが、郁也くんの一番仲良しの子だったんだよね。
めちゃめちゃ好きだった。
でもね、失恋したの。
彼女が出来て、疎遠になった。
郁也くんが慰めてくれた。
その時言った言葉、ずっと忘れない。
「桜ってさ、きれいに咲くために、散った後すぐに準備するんだって、
…………咲愛には笑っててほしい、咲愛のためなら俺が手伝う」
それから一年、郁也くんとは連絡を取り合った。
郁也くんが笑っててって言うから、いろんなとこに行った。
いつの間にか理由がないと会っちゃいけないのか?
なんて考えるようになって、郁也くんが好きだと最近気づいた。
準備するためだった。
それがほんとに準備しているなんて思わなかったし、恋するんなて思ってもいなかった。
でも、伝えるなら、桜が散る前に伝えなきゃって思った。
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「…………桜、近くに咲いてるから見に行こ、今から。今じゃなきゃだめ」
「……わかった」
桜を見ながらどうしても伝えたかった。
最寄りの小さな公園のベンチに座って沈黙が流れた。
ほんとはもっと大きなところで見るはずだった。
私の気持ちはもっと大きいんだよって伝えたった。
でも何にも言えないのも嫌だから。
「郁也くん、…………いいたかったことね、まずあの時支えてくれてありがとう」
「それは、ないてる咲愛が嫌だったから」
「救われた」
「俺がしたいことしてただけ、気にしなくていい」
「あとねもう一つ言いたいことがあるの。あのね」
「…………」
これを言ったら会えなくなったりするのかな。
そう思ったら、泣けてきて胸がきしむように痛む。
「やっぱり言えない」
「いつもみたいに、メールでもいいよ。打つとこ後ろ向いてるから見ないし」
「……わかった」
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『ReReRe:桜が散る前に』
好きって伝えたかった。
ずっと好きだって言いたかった。
理由がないと会えないのかと思ってた。
今は郁也くんの支えがあるから笑っていられるようになった。
私とよければ付き合いませんか?
すき、なので。
『ReReReRe:桜が散る前に』
俺もずっと同じ気持ちだった。
気付いてるもんだと思ってた。
咲愛が笑ってるところ見るたび嬉しくなって
隣にいるのは、ずっと俺がいいと思ってた。
俺でよければ。というか、俺は咲愛しか見てない
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桜が咲く季節、失恋をしたと思った。
桜は新しい芽をつけて来年の準備をしている。
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「咲愛?」
名前を呼びながら、こちらを振り向く。
「郁也くん」
「郁也でいいよ」
「郁也?」
「それでいい」
「雨が降るんだと思ってた、また、私の恋が終わるんだって」
「終わらせんから、俺が」
「じゃあ、桜が散ったらこの恋は終わるの?」
「桜が散っても、今度は二人で過ごす時間、過ごす未来を、準備していこう」
考え方、伝え方、すべてが好き。
「やっぱり、そういうとこがすき」
「ありがと」
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桜が散っていたらこの恋は実らなかったのだろうか。
咲愛っていう名前じゃなかったら、4月に告白できてないだろうか。
私は、桜のようにきれいな花を咲かせられるのだろうか。
『桜が散る前に、君に好きだと伝えたかった。』



