レアン・ダージリンと火刑法廷〜メイド服の弁護人と花売りの魔女〜

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 かくして調査は行われた。
 結果はレアンの言った通りとなり、この火刑法廷は幕を閉じた。
 神父は無謀な賭けをする若者たちに腹を立てての犯行であったことを自供した。

「レアン〜っ!」
 屋敷に夫人の声が響きわたる。帰ってきた三人は夫人の部屋でようやく落ち着いた夫人と言葉を交わしていた。
「本当に驚いたわ…でも恐ろしい火刑が行われずに済んで本当によかった!ありがとうレアン」
 夫人はレアンを抱きしめると安堵の笑みをみせた。
 レアンも大好きな夫人に褒められて満更でもないようだ。
 すると部屋の扉が勢いよく開いた。
「レアン!」
 飛び込んできたのはレベッカだった。
「ありがとうありがとうありがとうありがとう!」
 何度もお礼を言うとレアンの手を握りぶんぶんと上下に振り回した。
「今度特大の花冠を作ってあげるね!カーネーションのやつ!」
 レベッカの満面の笑みに思わず一同笑みが溢れるのであった。
「ちょっとこい」
 アサムはレアンを引っ張って廊下に出た。二人だけで話したかった。
「本当に心配したんだぞ」
 オレの命も……とは言わなかったが、幼馴染をこんなに心配したのは初めてだった。
「俺のほうこそ……まさか一緒に火刑法廷に立つなんて」
 レアンは心底呆れたような顔をしていた
「言っただろ、『そういう仲』だと……」
 アサムも呆れたようにため息をついた。
 レアンは「そうだな」と笑いかける。
 アサムにそっと近づくと静かに目を閉じて優しくキスをした。
「さ!休日はまだ残ってるよな!昼寝でもするか〜それとも昨日の続きか?」
「オレは仕事だ」
 レベッカと夫人の談笑が聞こえる中二人は廊下を後にした。