中の人は秘密なのに、クラスのアイドルが近すぎる

バックヤードに入った瞬間、職員さんたちがばたばた寄ってきた。俺は衝立の内側に誘導され、慌てて頭部を少し持ち上げてもらい、空気を吸う。

「っ、は……」

外の空気が冷たい。

生き返る、ってこういうことかもしれない。首から上だけでも天国だ。汗が一気に冷えて、ぞくっとする。

「大丈夫ですか!?」

「すみません、もう少し早く気づけば……」

みんなの声が飛ぶ中で、凛央だけは気を利かせてくれて、少し離れた衝立の外に立ってくれていた。

「ありがとう……ございます」

反射で声が出た瞬間、全員が一拍止まった。

しまった。

みどまるが喋ったらだめだ。

俺が青ざめるより先に、凛央がふっと笑った。

「今の、聞かなかったことにしてあげてください」

職員さんたちもつられて笑う。

「そうですね、みどまるくん、心の声が漏れましたね」

助けられてばっかりだ。