明けぬ空に、君を想う


朝、いつものように起きて、家族と鉢合わせないように過ごし、ご飯を食べる。

使用人に作ってもらったお弁当を持って、裏口から歩いていく。

少し走ったり何なりで学校に着く。

授業を受けて、お昼を食べて、平凡に過ごす。

そして帰り道、歩いていて気づく。


「あれ、もう桜が、、、」


昨日よりはるかに散りきっている。
時期が短い桜は、どこか儚い。


ーーそれでも、ちゃんと多くの人に評価される。他の春の野花だって、こんなに綺麗で。


そこでまた気づく。


ーー私、花に嫉妬?よくない、、、


そんなことを思いながら喫茶店に着いた。

いつものように、ばらばらと人がいる。
いつものように扉を開けると、店主と店員が声をかけてくれた。

「いらっしゃい。」
「いらっしゃいませ。」

店員は店主の息子だ。
息子は、たまに店を手伝っているらしく、今日は久しぶりに見た。
店主が店裏に物を取りに行ったりする時なんかは、とても助かっているそうで。


「こんにちは。」


いつもの席に着きつつ、注文をする。
今日は店員さんが注文をとってくれた。


「コーヒーを一つ、お願いいたします。あの、ミルク入りで、、、」

「はい、かしこまりました。」


もう割り切ってミルクと砂糖入れることにした。
店員さんにも、紛らわしくはしたくないし。


「お待たせしました。」

「ありがとうございます。」


本を読みながら、いつも通りミルクコーヒーを飲む。
今日も変わらない。

その時、声が聞こえた。