明けぬ空に、君を想う


「小夜?」


振り返ると、陽真がいた。


「あっごめん。任せちゃって、、、」

「それは全然。それより大丈夫?」

「うん。大丈夫。」


そんな会話をしていると、結真さんが来た。


「避難は終わったよ。」

「良かったです。ありがとうございました。」


そう返すと、今度は静真さんが来た。


「俺たちは中心部に戻らないといけない。」

「抜けてきちゃったからね。」

「そうですか。」


兄弟のやり取りを見ていた。
そして、静真さんが私を見て言った。


「それから、、、陽真のこと、助けていただいたことは、感謝している。」

「え、いや、とんでもないです、、、」


そう返すと、何も言わず背を向けて歩き出してしまった。


「はは。褒められ慣れてないね、小夜さん。」


結真さんが笑ってきた。


「いえ、、、」

「でも、本当にありがとう。小夜さんと陽真が揃わなかったら、無理だったかもね。」


私と陽真は顔を見合わせる。

陽真が口を開いた。


「結兄ちゃんと兄さんが昴さんに言ってくれたんでしょ?お陰で助かったよ。」

「本当にありがとうございますした。」


私も続く。

すると、結真さんはにこっりとした。
今までで、一番自然な笑顔だった。


「ダメだねー。成長に感動しちゃった。兄さんも昴さんも、よくあの顔のままいられるよね。」

「あはは、、、」


少し笑ってしまった。


「結真。早くしろ。」


突然静真さんが戻ってきていた。


「すみません。」


少しニヤけて返事をする結真さん。

そして行ってしまった。


「結兄ちゃんって呼んでるんだね。」

「え?ああ、ボロが出ちゃったよ。結真兄ちゃんは親しみやすさがあるし、何だかんだ甘いからね。」

「確かに話しやすいよね。なんか、陽真とも静真さんとも仲良さそう。」

「まあ、仲介者ってとこかな。」

「そうなんだ。」


そう返してから、不意に口から出た。


「私もお兄様のことを昔、昴お兄ちゃんって呼んでたんだ。」


陽真は驚いたような顔をした。
でも、すぐに優しい笑顔になった。


「そうなんだ。じゃあ小夜の中には、昔のお兄ちゃんがいる?」

「え、、、?」

「ごめん。さっきの少し、聞いちゃったから。」


そう返してきた。

私は、つくづく陽真がすごいと思った。


「うん。そうなんだ。だから私も、もっと頑張ろうと思ったの。」


私の言葉に、陽真は明るく言った。


「一緒に頑張ろう。」

「うん。」