消え去った喪月のいた場所を、私たちは見つめていた。
「元は人間でも、空亡になると本当に跡形もなく消えるんだね。」
陽真が言った。
私も続く。
「うん、、、喪月、最後に何を思ったんだろう。」
「分からない。でも、、、」
陽真は私を見て、もう一度行った。
「小夜の想い、少し伝わったんじゃないかな。」
「そうかな、、、」
「そうだと思うよ。」
優しく言ってくれた。
「ありがとう。」
「いや、こちらこそ。色々と、、、」
言いかけた時だった。
「二人で話すのも良いけど、街の人たちが先ね。」
「え!?」
二人同時に声が出た。
驚いてその方を見た。
「結真兄さん!?」
「結真さん!?」
なんと、あの件以来の結真さんが立っていた。
軍学校の制服を着ていて、少し怪我をしているのが分かった。
「どうしてここに?」
陽真が聞いた。
「こちらも戦いが終わったからだよ。」
結真さんは息を吐くように笑った。
その時。
「本当、手間がかかった。」
「思ったより時間を取られた。」
また別の方から声が聞こえて振り向くと、兄と静真さんがいた。
「ご無事で何よりです。」
私が答えると、二人とも微妙な顔をする。
無理もないけど。
私だって気まずい。
そこに、結真さんがにこやかに言った。
「全く、今回はかなりの騒ぎでね。軍学校の生徒まで借り出されたってわけ。」
「それで結真兄さんも、、、」
「中位空亡率いる下位空亡も、数が多くてね。街の人を避難させてり空亡倒したりで本当大変だったんだよ。」
ーー中心部はきっと、もっと大変だったんだろうな、、、
それでも、結真さんの傷は少しで、兄と静真さんはほとんど無傷だった。
ーーやっぱ異次元、、、
「それよりほら、街の人たちが混乱してるから。とりあえず家がめっためたになっちゃった人達ようの場所があるでしょ。」
「あ、そうだった!」
陽真は慌てて人々のところへ走った。
「いや、怪我してるんだしここは私がやるから!」
私も追いかけた。
「小夜も怪我してるし疲れてるでしょ。異能めっちゃ使ってたじゃん。」
「怪我はそんなにしてないよ。戦ったの陽真だし。」
そんなやりとりをしながらも、案内をした。
「お怪我大丈夫ですか?避難場所移りましょう。あ、でも、、、」
ーー避難場所まで行くための道が塞がっている。
「大丈夫だよ。」
陽真が言った。
少し苦笑しながら。
「静真兄さんと昴さんが、瓦礫を粉々にしたから。」
「え!?」
驚いて振り向くとーー
本当だった。
その時、結真さんが言った。
「あの二人、結構気が合うんだよね。良いライバルだし、敵対してなかったらもっと良い関係だったのに。」
確かにその通りだ。
今の二人からは、ライバル心と因縁が混じり合っている。
「認めたくても、認められないんだろうな、、、特にお兄様は。」
何となく呟いてしまった。
陽真と結真さんは頷く。
「そうだね。」
「ちなみに君達も、仲良くしすぎてると普通に目立つからね。」
「あっ、、、」
忘れてはいけない。
今の一族の状態は最悪。
それは全く変わっていないのだ。
私たちが何を思おうと、一族は変わらない。
兄たちは、それを分かった上で言っているのだ。
ーーでも、私が異能を使えたことで変わったりしないのかな、、、
「まあ、俺は何も言わないけど。何も知らないし。今はただ異能者一族同士、人助けしてるだけだよ。」
結真の何事もないような口調で言う。
私たちが固まっていると、今度は別の方を見て言った。
「あっ、小夜さん。昴さん何か見てるんじゃないかな?」
「え?」
「ほら。」
指差された方を見ると、兄が立っていた。
今度は陽真が言った。
「小夜に、何か話したいことあるんじゃない?」
「、、、うん、行ってきます。」
私は慌てて走り出した。

