「また昴さんに助けてもらっちゃった。」
「そうだね。お兄様、タイミングが良いと言うか、、、」
二人で話していると、水の術が完全に消えた。
喪月が見える。
「呑気におしゃべりか。」
兄がいないことが分かると、明らかに上から目線。
私たち相手だと、やっぱり油断している。
ーー確かに、これなら陽真の方が可能性がある、、、
陽真は、小さく言った。
「俺は何度もあいつに負けてる。でも、何としてでも倒さなくちゃいけない。」
「、、、うん。」
少し、心配だった。
また陽真が傷ついてしまうんじゃないかと。
ーーだけど。
陽真の表情は強かった。
以前よりもまっすぐとした目。
「小夜。」
陽真は、私を見つめた。
「俺は、小夜に救ってもらった。だから、もう大丈夫。」
「うん。陽真なら、きっと大丈夫。」
私がそう言うと、また微笑んだ。
陽真は向き直る。
喪月に向けての攻撃。
どんなものにするべきか、きっと悩んでいる。
「馬鹿だなあ。お前らに任せるだなんて、この場所は捨てるってわけか。」
喪月が口にした。
ーーそんな事ない、、、
確かに、兄には切り捨てる選択肢がある。
だけど、可能性があると思って言ったことだと思う。
だから、心灯を教えてくれた。
陽真を復活させる、時間をくれた。
「無駄にはしない。」
私よりも先に、陽真が声に出した。
「うん。」
陽真は刀を握った。
バチバチ!
霊雷の音が聞こえる。
光っている。
空を一瞬だけ見上げた。
真上にあった月は少し、傾いていた。

