陽真の心の中にいたはずが、目を開けるといつの間にか現世にいた。
「戻ってきたの、、、?」
「そうみたいだね。」
呟くと、陽真が答えた。
そして、現世のはっきりした音が聞こえてくる。
見ると、黒い霧と水の霧が飛び交っていた。
「遅い。」
兄の声がした。
「え、昴さん!?」
陽真が驚いていた。
「そっか。陽真は会ってなかったね、、、」
私の言葉に、兄も続く。
「君がいつまでも寝てるからだよ。」
「それは、すみませんでした。」
陽真が頭を下げる。
兄は、相変わらず表情に出ない。
「ははは。復活したのか。でも無意味だなあ。」
喪月が言った。
すると、兄が水の術を使った。
「な、これは、、、」
戸惑う喪月。
兄は手短に話し始めた。
「逃げに徹した動きになったあいつを仕留めるのは無理だった。狙うなら、油断している時ってわけ。」
そして、陽真を見た。
「俺はもう行く。向こうが持たないんだ。」
「向こう?」
陽真が聞くので、私が返す。
「うん。中心部で大量発生だって。」
「やっぱそうなんだ、、、」
すると兄が言った。
「話してる時間ないから。」
「すみません。」
兄が、私たちを見た。
「任せるから。できるよね?」
私と陽真は見合った。
そして少しだけ、笑みを見せた。
「分かりました。」
陽真は答えた。
陽真と兄は、前の一件があった。
だからもっとギクシャクするかと思ったけど、顔色はそんなに悪くなかった。
「じゃあ、くれぐれも死ぬなよ?君の兄がうるさいから。」
「はい。」
「、、、小夜も。」
私は、思わず驚いて目を見開いてしまった。
そして、すぐに返事をする。
「はい!」
そう言った瞬間、兄の姿はなかった。

