私は、思わず声に出した。
「違う、、、」
『ねえ、次会った時は同じ席に座らない?』
陽真の言葉が頭に浮かぶ。
「そうでしょ、、、?」
『そばにいたい。』
笑い合った日々。
「私は、、、生まれて初めて、あんなに幸せだった。」
散った花、太陽が咲いた。
出会った春、そばにいた夏。
「あなたに出会ったから、、、」
陽真は、下を向いたまま、目を見開いた。
「楽しかったよ、、、そばにいると、、、」
喫茶店で話したこと、本を読んだこと。
散歩をして、明るい道を歩いて。
川で水を掛け合って。
「全部大事だった。」
コーヒーもラムネも、メロンソーダも残る味に感じた。
陽真といると、もっと美味しくなる。
「だけど、、、俺は守れなかった。何もしてあげられなかった、、、」
「たくさん助けてもらったよ!」
強く、その言葉を叫んだ。
陽真は、ゆっくりと私を見た。
私は、想いが溢れて止まらなかった。
「陽真と話した時、楽しくて、、、あの時、同じ席に座ってくれたから、、、次もそうしようって言ってくれたから、、、私の心の拠り所になったの。」
「、、、」
「空亡から、何度も守ってくれたよね。俺が守るからって、言ってくれた。そもそもあの時助けてもらえなかったら、私ここにいないよ、、、」
「それは、、、」
「一族のこと、理解して励ましてくれた。話を聞いてくれて、何度も私のこと認めてくれた。一番欲しかった言葉を、貰えなかった愛情をくれた。何度も、何度も、、、」
ーーそうだよ、、、
「私、何もできないけど、陽真が笑ってくれるから、ここにいて良いんだって思えたの。」
「、、、」
言葉に迷っている陽真を見て、私は体が勝手に動いた。
思わず、陽真を抱きしめてしまった。
陽真はとても驚いていた。
私は、言葉が溢れる。
「ごめんね、、、ちゃんと聞いてあげられなくて、、、こんなに力になってくれた人に、救い出してくれた人に、何もしてあげられなくて、、、」
勝手に、涙が溢れてきた。
「私、全然周りのこと見てなかったの。だから何も気づけなくて、心灯も使えなかったの、、、」
「小夜、、、」
「でもね、これだけは言えるの。陽真のおかげで、私はここにいるの。陽真は、いなくちゃいけない存在なんだよ。」
「ーー」
陽真が、泣いているのが伝わった。
私は、また声に出た。
「私は、陽真がいるから笑えるの。」
陽真の方が震えた。
「だから、ありがとう。ずっと伝えたかった。」
その時、陽真が私を抱きしめ返した。
そして、声を出した。

