「陽真?」
体は震えていた。
震える手をぎゅっと握りしめていた。
私は座って、陽真の目線に合わせる。
そして、声をかけた。
「私、、、何も知らなかったんだ、陽真のこと。なんの助けにもなれなくて。いつも守られてばかりで、甘えすぎてたの。」
ポツポツと呟いた時、陽真が口に出した。
「守れてなんかないよ、、、」
陽真が顔を上げて、私を見た。
ひどく気力を失いかけていて、悲しそうな顔だった。
私は、胸が締め付けられるような感覚になった。
陽真は、目線を下へ下げながら言った。
「俺は、ずっと弱いこと、自覚してた。完全攻撃型の霊雷は、相手をたくさん傷つける。だけど、それも人を守るために使うなら許されるって、そう思ってた。だけど、俺は守れなかった。何度も、それを思い知った。それじゃ、こんな力意味ないんだよ、、、」
ーーだから、あの時もそう言ったんだ、、、
でも、少しだけ自分と重なる。
使えない異能は、意味がなくて、私は何のためにいるんだろう。
そう思っていた。
「物心ついた時から、兄貴達と比べられた。何もかも劣ってた。しんどくなったりもする。」
「陽真も、、、そうだったんだね。」
陽真は、私をまた見た。
「だけど、、、ずっと言ってたけど、小夜といたら、何でもできるような気がしたんだ。」
「私が、、、」
その時、思ったことがあった。
本当にそうだろうか。
私は、何もしていない。
「そんな大事な人を、、、守れなかった、、、」
突き刺されたような感覚になった。
だって、陽真の声が震えていた。
本気で、それを苦しんでいたのが伝わった。
「一番、心から守りたい人だった、、、空亡からも、あの家からだって、救い出したかった、、、俺にもっと力があったら、、、異能も、権力も、説得力も、、、そしたら、何か変わったかもしれないのに、、、」
「で、でもそれは、、、」
「結局、自分の気持ちに嘘をつくしかなかったんだ、、、」
「陽真、、、」
その表情は、言葉で表すなら何だろう。
絶望、後悔、嫌悪、何と言えばいいのか分からない。
陽真は、呟いた。
「何もできない俺は、、、表面だけの俺は、、、こんな風に、小夜に来てもらうしかなかった俺は、、、」
苦しそうに、小さくはっきりと口にした。
「弱い俺は、存在しちゃ駄目な気がするんだ、、、」
「そんなことない!」
反射的にでた言葉だった。
本音だった。
ーーどうして、、、
どうしてこん何も響かないんだろう。
長年苦しんでいた陽真に、追い打ちをかける存在になったのは私なのではないか。
そう思うほどに。
「俺は、、、惨めで、情けない、、、何も救えない、、、小夜のことを救いたかったのに、、、ごめん、小夜、、、ごめん、、、」
「違う!違うよ!」
ーーそんなこと言わないで、、、
「ごめん、、、」
謝り続ける陽真の声が響く。
今にも、消えてしまいそうな声が。
ーー否定してばっかだ、、、
落ちていく気持ちになる。
目を瞑った。
涙がでそうになる。
ーー何で何も言えないの、、、?私、また何もしてあげられない、、、
また一つ、考えた。
ーー私、、、陽真と出会わない方が良かったの?
私と出会ったことで、より苦しめてしまった。
私と出会わなかったら、、、

