明けぬ空に、君を想う


私は家ではなく、道をいくつかずらして一軒の喫茶店入る。

店主がいつものように笑顔で言う。


「いらっしゃい。」

「こんにちは。」


普段から人は多くないが、不思議と店は続いているらしい。
静かで、私にとってはとても心地が良い場所だった。

席に着く。


「コーヒーを一つ、お願いいたします。」

「はいよ。で、ミルクつきね。」

「あっ、はい。」


私は大体いつも同じ席で、同じ飲み物を頼む。
本当は大人っぽくブラックコーヒーを飲みたいのだけど。

ーーやっぱり、苦い。

結局ミルクやら砂糖を入れる。
私は甘党である。


そして店内や窓の外を見渡す。

ここが一番、落ち着ける場所だと思う。
どこいても、孤独感が抜けない。
でもここは、それでも良いような気がする。

いや、それを心地よく感じている。


そこで本を読んだりする。

綺麗な言葉や面白い物語によく惹かれる。
借り物の本で色んな本を読む。

あとは、内職の作業をしたりする。

毎日喫茶店に通う分にはお金がいる。
普通の名家の令嬢なら、お小遣いでぱぱっと払えるのに。

お姉様が、少し羨ましい。
でも、護衛がいたらこの雰囲気も台無しかもしれないし、そもそも喫茶店通いを許してくれるかもわからない。
放置されている私だからできることなのかもしれない。
一人も落ち着けて良いし。

一人勝手に納得する。

本当は寂しいこともわかっているけど。


周りの人の会話も聞こえてきたりする。
割と雰囲気なんかも大体同じ人。

学生とか、仕事終わりそうな人とか、主婦っぽそうな人のコンビもいる。

ただ、不思議と騒がしくは感じない。


しばらく時間を潰して、日も傾く頃にあの家に帰る。

ーーはあ、、、

帰ったらまた色々言われるんだろうな。
なんなら全無視かもしれない…

そんな事を思いながら歩く。
店も閉まってきて、街は静かになっていく。


私の放課後は、こんな風に過ぎていく。

そしてあの家に帰る。